Control System Toolbox関数リファレンス    

ss

状態空間モデルを設定またはLTIモデルを状態空間型に変換

表示

詳細

関数ssは、実数値状態空間モデル(SSオブジェクト)を作成するか、伝達関数または零点-極-ゲインモデルを状態空間型に変換します。

状態空間モデルの作成

sys = ss(a,b,c,d) は、連続系状態空間モデル

を作成します。

状態数Nx、出力数Ny、入力数Nuをもつモデルに対して、

出力sysは、モデルデータを格納するSSオブジェクトです(マニュアルの"状態空間モデル"を参照)。の場合、dの大きさに拘わらず、dをスカラ0(ゼロ)に設定するだけで済みます。

sys = ss(a,b,c,d,Ts) は、サンプル時間Ts(秒単位)をもつ離散系状態空間モデル

を作成します。サンプル時間を未設定のままにするには、Ts = -1、または、Ts = []を設定します。

sys = ss(d) は、静的ゲイン行列を設定し、つぎのステートメントと等価です。

sys = ss(a,b,c,d,ltisys) は、(サンプル時間を含め)LTIモデルltisysから継承した一般的LTIプロパティをもつ状態空間モデルを作成します。一般的なLTIプロパティの概要については、マニュアルの"基本的なプロパティ"を参照してください。

状態空間モデルの配列の作成法に関する情報については、マニュアルの"LTI配列の作成"を参照してください。

前の表示のいずれにも、つぎのプロパティ/値の組み合わせを後に続けることができます。

それぞれの組み合わせは、入力名またはモデル履歴に関する注釈など、モデル固有のLTIプロパティを設定します。詳細については、setの部分とつぎの例題を参照してください。

は、つぎのコマンド群と等価であることに注意してください。

状態空間への変換

sys_ss = ss(sys) は、任意のTFまたはZPKモデルsysを状態空間に変換します。出力sys_ssは、等価な状態空間モデル(SS オブジェクト)です。この操作を、状態空間実現と言います。

sys_ss = ss(sys,'minimal')は、可制御性に関する状態と可観測性に関する状態をもつ状態空間実現を作成します。

例題

例題 1

は、行列とサンプル時間0.05秒をもつ離散系モデルを作成します。このモデルには、positionvelocityという名前の2つの状態とforceという名前の1つの入力があります(の次元は、状態数と入力数と整合性が取れていなければなりません)。最終的に、モデル作成日付に関する注釈も付けます。

例題 2

伝達関数

の状態空間実現を計算します。 つぎのように入力してください。

状態数は、H(s)のSISOの部分の累積の次数と等価になります。

H(s)の最小実現は、つぎのように入力してください。

結果の状態空間モデルの次数は3で、H(s)を表現するのに必要な最小の状態数です。これは、H(s)を1次のシステムと2次のシステムの積として直接分解することによっても理解できます。

参考
dss         ディスクリプタ状態空間モデルの設定

frd            FRDモデルと作成、または、FRDモデルへの変換

get         LTIモデルのプロパティを抽出

set         LTIモデルのプロパティの設定

ssdata      状態空間モデルの行列を抽出

tf          伝達関数の設定または伝達関数への変換

zpk         零点-極-ゲインモデルの設定または零点-極-ゲインモデルへの変換


  sminreal ss2ss