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frd

周波数応答データ(FRD)オブジェクトの作成、または、他のモデル形式からFRDモデルへ変換

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詳細

sys = frd(response,frequency)は、多次元配列responseにストアされた周波数応答データからFRDモデルsysを作成します。ベクトルfrequencyは、周波数応答データを求めるための基準となる周波数を表現します。 表1-14"FRDモデルの引数のデータフォーマット"をご参照ください。

sys = frd(response,frequency,Ts)は、スカラのサンプリング時間Tsをもつ離散時間FRDモデルを作成します。サンプリング時間Tsを指定せずに、離散時間FRDモデルを作成するためには、Ts = -1に設定します。

sys = frdは、空のFRDモデルを作成します。

上記の記法における入力引数は、つぎの形式のプロパティ名/プロパティ値の組み合わせで指定できます。

FRDモデルの様々なプロパティを設定するために、上記の特殊な入力引数を利用することができます(setコマンドの説明や"LTIプロパティ"、"モデル固有のプロパティ"を参照ください)。これらのプロパティは、'Units'プロパティを含みます。FRDモデルに対するデフォルトの周波数単位は、 'rad/s'です。

あるLTIモデルrefsysから一般的なLTIプロパティすべてを継承するFRDモデルsysを定義するためには、sys = frd(response,frequency,ltisys)と記述します。

sysfrd = frd(sys,frequency)は、TF,SS,ZPKモデルをFRDモデルに変換します。周波数応答は、ベクトルfrequencyで定義される周波数で計算されます。

sysfrd = frd(sys,frequency,'Units',units)は、周波数単位を'Units'('rad/s'、または、'Hz')に指定して、TF,SS,ZPKモデルをFRDモデルに変換します。

引数

SISOまたはMIMO FRDモデルや、FRDモデルの配列を定義する場合、入力引数frequencyは、長さNfのベクトルになります。ここで、NfはFRDの周波数データ点の数です。入力引数responseの指定は、つぎの表のようになります。

表1-14 : FRDモデルの引数responseのデータフォーマット モデル形式
モデル形式

応答データ形式
SISOモデル

response(i) が周波数frequency(i)での周波数応答となる長さNfのベクトル
Nu入力Ny出力のMIMOモデル

response(i,j,k)が周波数frequency(k)での入力jから出力iまでの周波数応答となるサイズNy-Nu-Nfの多次元配列
Nu入力Ny出力のモデルのS1-...-Sn配列

response(i,j,k,:)が周波数frequency(k)での入力jから出力iまでの周波数応答データの配列となるサイズ [Ny Nu S1 ... Sn]の多次元配列

注意事項s

単一FRDモデルに関する詳細は、"周波数応答データ(FRD)モデル"をご参照ください。また、FRDモデルの配列に関する詳細は、"tf,zpk,ss,frdを使ってのLTI配列の作成"をご参照ください。

例題

SISO FRDモデルを作成するために、つぎのコマンドをタイプインしてください。

参考
chgunits      FRDモデルの周波数単位の変換

frdata        FRDモデルのデータの参照

set           LTIモデルに対するプロパティの設定

ss            状態空間モデルの作成

tf            伝達関数の作成

zpk           零点-極-ゲインモデルの作成


 filt frdata