zp2sos (Signal Processing Toolbox)

ディジタルフィルタの零点-極-ゲイン型から2次型への変換

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[sos,g] = zp2sos(z,p,k)
[sos,g] = zp2sos(z,p,k,'order')
[sos,g] = zp2sos(z,p,k,'order','scale')
sos = zp2sos(...)

詳細

zp2sosは、与えられたディジタルフィルタの離散時間の零点-極-ゲイン表現を等価な2次型表現に変換します。

[sos,g] = zp2sos(z,p,k) は、入力引数z、pおよびkによって表現される離散の零点-極-ゲインシステムと等価な2次型形式の行列sosを求めます。ベクトルzとpには、システムH(z)の零点と極が含まれますが、どのような順序でも構いません。

nとmは、それぞれzとpの長さで、kは、スカラゲインです。零点と極は実数か、または、共役複素数組でなければなりません。sosは、つぎのようなL行6列の行列となります。

この行は、H(z)の2次型の分子係数b_ikと分母係数a_ikを含みます。

行列sosの行数Lは、n/2とm/2の最大値に等しいか、それより大きな整数です。

[sos,g] = zp2sos(z,p,k,'order') は、sosの行の中での要素の順序を設定します。ここで、orderには、つぎの文字列が設定できます。

down：sosの最初の行が単位円に最も近い極になるように配置します。

up：sosの最初の行が単位円から最も離れた極になるように配置します(デフォルト)。

[sos,g] = zp2sos(z,p,k,'order','scale') は、すべての2次型のゲインと分子の係数の希望するスケーリングを設定します。ここで、scaleには、つぎのオプションを設定することができます。

none：スケーリングを適用しない(デフォルト)

inf：無限大ノルムスケーリングを適用

two：2ノルムスケーリングを適用

up順序で配置して無限大ノルムを使うことにより、実現の中で、オーバフローの可能性を最小にします。また、down順序で配置したものに2ノルムスケーリングを使うことにより、ピークの丸めノイズを最小化します。

sos = zp2sos(...) は、最初のセクションH₁(z)に全体のシステムゲイン gを埋め込みます。すなわち、つぎのようにします。

例題

Butterworthローパスフィルタの2次型形式を求めます。

[z,p,k] = butter(5,0.2);
sos = zp2sos(z,p,k);

アルゴリズム

zp2sosは、つぎの4つのステップのアルゴリズムを使って、入力された零点-極-ゲインシステムの2次型表現を求めます。

関数cplxpairrを使って、零点と極を共役複素数の組に分類します。
つぎの規則に基づいて、極と零点の組み合わせを作ることにより、2次型を作ります。
1. 単位円に最も近い極をそれらの極に最も近い零点と組み合わせます。
2. つぎに単位円に近い極をそれらの極に最も近い零点と組み合わせます。
3. 以下同様に続け、極と零点をすべて組み合わせます。

zp2sosは、実数の極と零点についても、絶対値が、それらに最も近いものとまとめます。

極の絶対値が単位円に近づく具合により、並べ替えます。zp2sosは通常、単位円に最も近い極をもつ断面をカスケードの最後にします。downフラグを設定することにより、順序を逆にすることができます。
zp2sosは、'scale'引数に設定されたノルムでスケーリングします。任意のH()に対して、スケーリングは、つぎのように設定されます。

ここで、pは、または2のどちらかです。スケーリングの詳細については、リファレンスを参照してください。

このスケーリングは、フィルタ処理の中で、いくつかの標準的な固定小数点実現でのオーバフローを最小限に抑えようとするものです。

参考

cplxpair
複素数を共役複素数の組み合わせで並べ替える

sos2zp
2次型から零点-極-ゲイン型への変換

ss2sos
ディジタルフィルタ状態空間型から2次型への変換

tf2sos
ディジタルフィルタ伝達関数から2次型への変換

zp2ss
零点-極-ゲインフィルタパラメータから状態空間型への変換

zp2tf
零点-極-ゲインフィルタパラメータから伝達関数への変換

`cplxpair`	複素数を共役複素数の組み合わせで並べ替える
`sos2zp`	2次型から零点-極-ゲイン型への変換
`ss2sos`	ディジタルフィルタ状態空間型から2次型への変換
`tf2sos`	ディジタルフィルタ伝達関数から2次型への変換
`zp2ss`	零点-極-ゲインフィルタパラメータから状態空間型への変換
`zp2tf`	零点-極-ゲインフィルタパラメータから伝達関数への変換

参考文献

[1] Jackson, L.B., Digital Filters and Signal Processing, 3rd ed., Kluwer Academic Publishers, Boston, 1996, Chapter 11.

[2] Mitra, S.K., Digital Signal Processing: A Computer-Based Approach, McGraw-Hill, New York, 1998, Chapter 9.

[3] Vaidyanathan, P.P., "Robust Digital Filter Structures," Handbook for Digital Signal Processing, S.K. Mitra and J.F. Kaiser, ed., John Wiley & Sons, New York, 1993, Chapter 7.

yulewalk zp2ss