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yulewalk

巡回型ディジタルフィルタの設計

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詳細

yulewalkは、設定された周波数応答に最小2乗近似を使って、巡回型IIRディジタルフィルタを設計します。

[b,a] = yulewalk(n,f,m) は、ベクトルfmで設定する周波数-ゲイン特性を近似するn次のIIRフィルタの(n+1)個の係数を含んだ行ベクトルbaを出力します。ここで、

出力されるフィルタ係数は、つぎのようにzの次数の降順で順序付けされます。

周波数応答を設定するときには、通過帯域から遮断帯域への鋭い遷移を避けてください。最良のフィルタ設計を得るには、遷移領域の勾配を実験する必要があるかもしれません。

例題

8次のローパスフィルタを設計し、希望の周波数応答に実際の周波数応答を重ねてプロットします。

アルゴリズム

yulewalkは、時間領域で最小2乗近似を実行します。これは、設定した周波数応答の逆フーリエ変換によって計算された相関係数を使って、拡張Yule-Walker方程式によって分母係数を計算します。分子を計算する場合、yulewalkは、つぎのステップを行います。

  1. パワー周波数応答の加法分解に対応する分子多項式を計算します。
  2. 分子多項式および分母多項式に対応する周波数応答を計算します。
  3. スペクトル因数分解法を使って、フィルタのインパルス応答を求めます。
  4. このインパルス応答に対する最小2乗近似により、分子多項式を求めます。

参考
butter
Butterworthアナログおよびディジタルフィルタの設計
cheby1
Chebyshev I型フィルタの設計(通過帯域リップル)
cheby2
Chebyshev II型フィルタの設計(遮断帯域リップル)
ellip
楕円フィルタの設計
fir2
ウィンドウベースの有限インパルス応答フィルタの設計 − 任意応答
firls
条件付き最小2乗線形位相FIRフィルタの設計
maxflat
汎用ディジタルButterworthフィルタの設計
remez
Parks-McClellan最適FIRフィルタの設計

参考文献

[1] Friedlander, B., and B. Porat, "The Modified Yule-Walker Method of ARMA Spectral Estimation," IEEE Transactions on Aerospace Electronic Systems, AES-20, No. 2 (March 1984), pp. 158-173.


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