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fir2

ウィンドウベースの有限インパルス応答フィルタの設計 − 任意応答

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fir2は、任意の形状の周波数応答をもつ周波数サンプリングベースのディジタルFIRフィルタを設計します。

b = fir2(n,f,m) は、 n 次のFIRフィルタの( n+1 )個の係数を含んだ行ベクトル b を出力します。このフィルタの周波数-ゲイン特性は、ベクトル f および m によって与えられる特性と一致します。

フィルタの形状を表示するには、plot(f,m)を使用します。

出力されるフィルタ係数bは、zの次数の降順で表わします。

b = fir2(n,f,m,window) は、列ベクトルwindowで設定されたウィンドウをフィルタ設計に使用します。ベクトルwindowは、(n+1)の要素長でなければなりません。ウィンドウが設定されていなければ、fir2は、長さn+1のHammingウィンドウ(hammingを参照)を使用します。

b = fir2(n,f,m,npt) 、または、b = fir2(n,f,m,npt,window) は、windowの設定の有無に関係なく、fir2が周波数応答を補間するグリッドの点数nptを設定します。

b = fir2(n,f,m,npt,lap) および

b = fir2(n,f,m,npt,lap,window) は、windowの設定の有無に関係なく、fir2が、設定する周波数点が重なる部分で、遷移帯をスムーズにするために使用する領域のサイズlapを設定します。

nptlapの詳細については、"アルゴリズム"の節を参照してください。

アルゴリズム

希望の周波数応答は、長さnptの緻密かつ等間隔のグリッド上に補間されます。デフォルトでは、nptは512です。fで設定する点が同じ値の場合、lap 点の領域は、必要な周波数応答のスムーズな遷移帯を得るために、この周波数のまわりに設定されます。デフォルトでは、lap は25です。フィルタ係数は、グリッドに逆高速フーリエ変換を適用し、ウィンドウを乗算することにより得られます。デフォルトでは、これはHammingウィンドウです。

例題

30次のローパスフィルタを設計し、希望の周波数応答と実際の周波数応答を重ねてプロットします。

参考
butter
Butterworthアナログおよびディジタルフィルタの設計
cheby1
Chebyshev I型フィルタの設計(通過帯域リップル)
cheby2
Chebyshev II型フィルタの設計(遮断帯域リップル)
ellip
楕円フィルタの設計
fir1
ウィンドウベースの有限インパルス応答フィルタの設計 − 標準応答
maxflat
汎用ディジタルButterworthフィルタの設計
remez
Parks-McClellan最適FIRフィルタの設計
yulewalk
巡回型ディジタルフィルタの設計


 fir1 fircls