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Chebyshev II型フィルタの設計(遮断帯域リップル)
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[b,a]=
cheby2(n,Rs,Wn) [b,a]=
cheby2(n,Rs,Wn,'ftype
') [b,a]=
cheby2(n,Rs,Wn,'s') [b,a]=
cheby2(n,Rs,Wn,'ftype
','s') [z,p,k]=
cheby2(...) [A,B,C,D]=
cheby2(...)
詳細
cheby2
は、ディジタルおよびアナログのローパス、ハイパス、バンドパス、およびバンドストップChebyshev II型フィルタを設計します。Chebyshev II型フィルタは、通過帯域では単調で、遮断帯域では等リップルです。II型フィルタはI型フィルタほど速くロールオフしませんが、通過帯域にリップルをもちません。
ディジタル領域
[b,a] = cheby2(n,Rs,Wn)
は、カットオフ周波数Wn
と通過帯域のピーク値からRs dB
以上低い遮断帯域リップルをもつn
次のローパスディジタルChebyshev フィルタを設計します。これは、フィルタ係数を、長さ(n+1)
の行ベクトルb
およびa
に、zの次数の降順に出力します。
カットオフ周波数は、遮断帯域が始まる周波数で、フィルタのゲイン応答は、-Rs
dBとなります。cheby2
では、カットオフ周波数Wn
は、0と1の間の数です。ここで、1はサンプリング周波数の1/2(Nyquist周波数)です。遮断帯域の減衰値Rs
を大きくすると、遷移幅が広くなります(ロールオフ特性が浅くなります)。
Wn
が2要素ベクトルWn
= [w1 w2]
の場合、cheby2
は通過帯域w1<
< w2
をもつ2*n
次のバンドパスフィルタを出力します。
[b,a] = cheby2(n,Rs,Wn,'
は、文字列ftype
')
'
ftype'
の設定により、ハイパスフィルタまたはバンドストップフィルタを設計します。
'high'
:カットオフ周波数Wn
をもつハイパスディジタルフィルタ'stop'
:Wn
が2要素ベクトルの場合、すなわち、Wn = [w1 w2]
の場合、2*n
次のバンドストップディジタルフィルタになり、遮断帯域は、w1
< w2
になります。設定する出力引数の数により、cheby2
は種々の形式のフィルタを実現します。零点-極-ゲイン型を得るには、つぎのように3つの出力引数を使用します。
[z,p,k] = cheby2(n,Rs,Wn)
または、
[z,p,k] = cheby2(n,Rs,Wn,'
は、零点と極を長さftype
')
n
、または、2*n
の列ベクトルz
とp
に、またゲインをスカラk
にそれぞれ出力します。
状態空間形式を得るには、つぎのように4つの出力引数を使用します。
[A,B,C,D] = cheby2(n,Rs,Wn)
または、
[A,B,C,D] = cheby2(n,Rs,Wn,'
、ここで、ftype
')
A
、B
、C
、および D
は、
アナログ領域
は、カットオフ周波数[b,a]
= cheby2(n,Rs,
Wn,'s')
Wn
をもつn
次のローパスアナログChebyshev II型フィルタを設計します。これは、フィルタ係数を長さ(n+1)
の行ベクトルb
およびa
に、sの次数の降順に出力します。
カットオフ周波数は、フィルタのゲイン応答が-Rs
dBとなる周波数です。cheby2
のカットオフ周波数Wn
は、0より大きくなければなりません。
Wn
がw1
< w2
である2要素ベクトルWn
= [w1 w2]
の場合には、cheby2(n,Rs,Wn,'
s')
は、通過帯域w1
< <
w2
をもつ2*n
次のバンドパスアナログフィルタを出力します。
[b,a] = cheby2(n,Rs,Wn,'
は、ハイパスフィルタまたはバンドストップフィルタを設計します。ftype
','s')
設定する出力引数の数により、cheby2は種々の形式のアナログフィルタを実現します。零点-極-ゲイン型を得るには、つぎのように3つの出力引数を使用します。
[z,p,k] = cheby2(n,Rs,Wn,'s')
または、
[z,p,k] = cheby2(n,Rs,Wn,'
は、零点と極を長さftype
','s')
n
または2*n
の列ベクトルz
とp
に、またゲインをスカラk
にそれぞれ出力します。
状態空間型を得るには、つぎのように4つの出力引数を使用します。
[A,B,C,D] = cheby2(n,Rs,Wn,'s')
または、
[A,B,C,D] = cheby2(n,Rs,Wn,'
、ここで、ftype
','s')
A
、B
、C
、および D
は
例題
サンプリング周波数1000 Hzのデータに対して、遮断帯域に通過帯域より20 dBだけ低い減衰をもち、300 Hzのカットオフ周波数をもつ9次のローパスChebyshev II型フィルタを設計します。
[b,a] =
cheby2(9,20,300/500);
freqz(b,a,512,1000)
つぎに、100〜200 Hzの通過帯域をもつ5次のバンドパスChebyshev II型フィルタを設計し、そのフィルタのインパルス応答をプロットします。
n=
5; r=
20; Wn=
[100 200]/500; [b,a]=
cheby2(n,r,Wn); [y,t]=
impz(b,a,101); stem(t,y)
制限
高次フィルタでは、状態空間型が数値的に最も正確であり、そして、零点-極-ゲイン型が正確です。伝達関数係数型は最も精度が劣り、15次程度のフィルタ次数でも数値的な問題が生じる可能性があります。
アルゴリズム
cheby2
は、つぎの5つのステップのアルゴリズムを使用します。
cheb2ap
を使って、ローパスアナログプロトタイプの極、零点、およびゲインを求めます。
cheby2
は、bilinear
を使って、プリワーピング周波数をもつ双1次変換によりアナログフィルタをディジタルフィルタに変換します。周波数を慎重に調整することにより、アナログフィルタとディジタルフィルタがWn
あるいはw1
とw2
で、同一の周波数応答をもつことが保証されます。
参考
|
Besselアナログフィルタの設計 |
|
Butterworthアナログおよびディジタルフィルタの設計 |
|
Chebyshev II型アナログローパスフィルタのプロトタイプ |
|
Chebyshev II型フィルタの次数選択 |
|
Chebyshev I型フィルタの設計(通過帯域リップル) |
|
楕円フィルタの設計 |
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