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prony

Prony法を使った時間領域IIRフィルタ設計

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Prony法は、設定された時間領域インパルス応答をもつIIRフィルタを求めるためのアルゴリズムです。これは、フィルタ設計、指数関数的信号のモデリング、システム同定(パラメトリックなモデリング)などで使われます。

[b,a] = prony(h,nb,na) は、分子の次数nb、分母の次数na、およびh内の時間領域インパルス応答を使ってフィルタを求めます。pronyは、長さnb+1およびna+1のフィルタ係数を行ベクトルbおよびaにそれぞれ出力します。フィルタ係数は、つぎに示すようにzの次数の降順です。

例題

そのインパルス応答からButterworthフィルタの係数を求めます。

アルゴリズム

pronyは、参考文献[1]に記述されている方法を使っています。この方法は、分母係数aを求めるためARモデリングの共分散法の変形したものを使い、それから出力フィルタのインパルス応答がxの最初のnb+1個のサンプルと正確に一致する分子の係数bを求めます。フィルタは必ずしも安定しませんが、データ列が正しい次数の自己回帰移動平均(ARMA)過程であれば、正確に係数を求める可能性があります。

参考
butter
Butterworthアナログおよびディジタルフィルタの設計
cheby1
Chebyshev I型フィルタの設計(通過帯域リップル)
cheby2
Chebyshev II型フィルタの設計(遮断帯域リップル)
ellip
楕円フィルタの設計
invfreqz
周波数応答データからの離散時間フィルタの同定
levinson
Levinson-Durbin再帰法
lpc
線形予測係数
stmcb
Steiglitz-McBride反復法を使った線形モデル

参考文献

[1] Parks, T.W., and C.S. Burrus, Digital Filter Design, John Wiley & Sons, 1987, pp. 226-228.


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