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連続系または離散系Kalman推定器を設計

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kalman は、プラントの状態空間モデルおよびプロセス、測定ノイズ共分散データを与えて、Kalman状態推定器を設計します。Kalman推定器は、つぎの連続系または離散系推定問題に対する最適解です。

連続系推定

連続プラント

が与えられ、既知の入力とプロセスノイズ、測定白色ノイズは、

を満足するものとします。この連続プラントは、定常状態偏差の共分散

を最小にする状態推定を作成します。

最適解は、方程式

をもつKalmanフィルタです。この場合、フィルタゲインは、代数Riccati方程式を解くことによって決定されます。この推定器は、既知の入力と観測値 を使って、出力推定および状態推定を作成します。は、真のプラント出力

を推定することに注意してください。

離散系推定

離散系プラント

およびノイズ共分散データ

が与えられた場合、Kalman推定器は、方程式

をもち、を含む利用可能なすべての観測値を使って、最適の"現在の"出力および、状態推定値を作成します。ゲイン行列およびは、離散系Riccati方程式を解くことによって導かれます。イノベーションゲインは、つぎの新しい観測値を使って、予測値を更新するために使用します。

使用方法

[kest,L,P] = kalman(sys,Qn,Rn,Nn)は、プラントモデルsysおよびノイズ共分散データQnRnNn(上の行列)が与えられた場合、Kalman推定器の状態空間モデルkestを出力します。sysは、行列をもつ状態空間モデルでなければなりません。

結果として得られる推定器kestは、入力として、および出力(あるいは、それらの離散系の相当値)としてをもっています。の場合、最後の引数Nnは省略できます。

関数kalmanは、連続系、離散系いずれの問題も取り扱い、sysが連続系であれば連続系推定器を作成し、他の場合、離散系推定器を作成します。連続系では、kalmanは、KalmanゲインLと定常状態偏差の共分散行列Pも出力します。Pは、関連するRiccati方程式の解であることに注意してください。離散系では構文

は、フィルタゲインとイノベーションゲインおよび定常状態偏差の共分散

を出力します。 最終的に、より一般的なプラントsysに対して、構文

を用います。この場合は、既知の入力と確率的入力が混在し、すべての出力が観測されるわけではありません。その時点で、既知のインデックスベクトルsensorsknownは、sysのどの出力が観測され、どの入力が既知であるかを設定します。他のすべての入力は、確率的であると見なされます。

例題

マニュアルの"制御設計ツール"、"x-軸に対するLQG設計"、"カルマンフィルタ"を参照してください。

制限

プラントおよびノイズデータは、以下を満足する必要があります。

これは、つぎの表記に従います。

参考
care        連続時間Riccati方程式の解

dare        離散系Riccati方程式の解

estim       推定器のゲインを与えて、推定器を作成

kalmd       連続系プロントに対する離散Kalman推定器

lqgreg      LQGレギュレータの設計

lqr         状態フィードバックLQレギュレータの設計

参考文献

[1] Franklin, G.F., J.D. Powell, and M.L. Workman, Digital Control of Dynamic Systems, Second Edition, Addison-Wesley, 1990.


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