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kalmd

連続系プラントに対する離散系Kalman推定器を設計

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kalmd は、kalmanで設計される連続系推定器と同様な応答特性をもつ離散系Kalman推定器を設計します。このコマンドは、満足する連続系推定器が設計された後で、ディジタル化のための離散系推定器を導くのに有効です。

[kest,L,P,M,Z] = kalmd(sys,Qn,Rn,Ts) は、連続系プラントに対して、サンプル時間Tsをもつ離散系Kalman推定器kestを作成します。

この場合、プロセスノイズと観測ノイズ は、

を満足します。 推定器kestは、つぎのようにして導きます。連続系プラントsysは、まずサンプル時間Tsでゼロ次ホールドを使って離散化され(上記のc2d の項を参照)、連続系ノイズ共分散行列およびは、それらの等価な離散系ノイズ共分散

によって置き換えられます。

積分は、[2]の行列指数の公式を使って計算されます。つぎに離散化プラントおよびノイズに対して、離散系推定器が設計されます。離散系Kalman推定器の詳細については、kalmanを参照してください。

kalmdは、推定器ゲインLMも出力し、離散系偏差の共分散行列PZも出力します(詳細については、kalmanを参照してください)。

制限

離散化した問題データは、 kalmanの必要条件を満足しなければなりません。

参考
kalman      Kalman推定器の設計

lqgreg      LQGレギュレータの設計

lqrd        連続系プラントに対する離散LQ最適ゲインの計算

参考文献

[1] Franklin, G.F., J.D. Powell, and M.L. Workman, Digital Control of Dynamic Systems, Second Edition, Addison-Wesley, 1990.

[2] Van Loan, C.F., "Computing Integrals Involving the Matrix Exponential," IEEE Trans. Automatic Control, AC-15, October 1970.


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