Signal Processing Toolbox    

通信アプリケーション

ツールボックスには、通信シミュレーションのための3つの関数が用意されています。

演算
関数
変調
modulate
復調
demod
電圧制御オシレーション
vco

"変調"は、メッセージ信号を基に搬送波信号の振幅、位相、または周波数を変化させます。関数modulateは、設定された変調法を用いてメッセージ信号を変調します。

関数modulateの基本構文は、つぎのとおりです。

ここで、

以下の表は、用意されている変調法を要約したものです。それぞれの詳細については、第6章を参照してください。

手法
詳細
amdsb-scまたはam
振幅変調、両側波帯抑制搬送波
amdsb-tc
振幅変調、両側波帯伝送搬送波
amssb
振幅変調、単側波帯
fm
周波数変調
pm
位相変調
ptm
パルス時間変調
pwm
パルス幅変調
qam
直交振幅変調

.

入力xがベクトルでなく配列の場合、modulateは、配列の各列単位に変調します。

modulateが変調する信号を計算するのに用いる時間ベクトルを得るには、つぎのように2つの出力引数を設定します。

関数demod復調を行います。すなわち、変調された信号からオリジナルのメッセージ信号を取り出します。

demodの構文は、つぎのとおりです。

demodは、modulateに示した任意の手法を使用しますが、直交振幅復調の構文については、つぎのように2つの出力引数が必要です。

入力y が配列の場合、demodはすべての列を復調します。

つぎに、信号の変調と復調を行なってみましょう。1000Hzでサンプリングした50Hzの正弦波は、つぎのようになります。

200Hzの搬送周波数を使って、この信号を変調し、復調します。

オリジナルの信号、変調された信号、および復調された信号の一部をプロットするには、つぎのようにします。

電圧制御オシレータ関数vcoは、入力ベクトルによって決定された周波数で振動する信号を作成します。vcoの基本構文は、つぎのとおりです。

ここで、fcは搬送周波数、fsはサンプリング周波数です。

周波数変調範囲をスケーリングするには、つぎのようにします。

この場合、vcoは、区間[-1 1]にあるxの値が、[Fmin Fmax]にある周波数の振動にマッピングされるように周波数変調範囲をスケーリングします。

入力xが配列の場合、vcoxの列に基づいて振動する配列を作成します。

関数vcoの使用例については、"時間依存フーリエ変換とスペクトログラム"を参照してください。


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