Using Simulink    

信号について

信号は、モデルのシミュレーション時にSimulinkブロックの出力に現れる値のストリームです。信号は、モデル線図内のブロックを接続するラインに沿って移動すると考えると便利です。しかし、Simulinkモデルのラインは、ブロック間の論理的な接続を表わし、物理的な接続を表わさないことに注意してください。そのため、Simulinkの信号と電気信号との類似は完全ではありません。たとえば、電気信号は、ワイヤを通過するのに時間がかかります。反対にSimulinkブロックの出力は、接続するブロックの入力に同時に現れます。

信号の大きさ

Simulinkブロックは、1次元または2次元の信号を出力することができます。1次元(1-D)信号は、シミュレーション時間ステップごとに1つの配列(ベクトル)をもつ単一周波数の1次元(1-D)配列出力のストリームで構成されます。2次元(2-D)信号は、ブロックのサンプル時間ごとに1つの2-D配列(行列)をもつ単一周波数の2次元配列のストリームで構成されます。Simulinkユーザインタフェースとドキュメントは、一般に1-D 信号をベクトル、2-D 信号を行列 として参照します。1要素配列は、しばしばスカラ として参照されます。

Simulinkブロックは、シミュレーション中に受け取ったり出力することが可能な信号の大きさを変化させます。ブロックの中には、任意の次元の信号を受け取り、出力できるものがあります。スカラまたはベクトル信号のみを受け取り、出力できるものもあります。特定のブロックの信号の次元を決定するためには、第9章, "ブロックリファレンスのブロックの説明を参照してください。非スカラ信号の出力が可能なブロックに対して出力信号の大きさを決定するものについては、出力信号の大きさの決定 を参照してください。

信号のデータタイプ

データタイプは、内部的に信号の値を表わすために用いるフォーマットを参照します。Simulink信号のデータタイプは、デフォルトでdoubleです。しかし、他のデータタイプの信号を作成することができます。Simulinkは、MATLABと同じ範囲のデータタイプをサポートします。詳細は、データタイプの利用 を参照してください。

複素数値信号

Simulink信号の値は、複素数の場合があります。値が複素数である信号は、複素数値信号と呼ばれます。複素数値信号の作成と操作に関する情報は、複素数値信号の利用 を参照してください。


 信号の利用 信号に関する用語集