モデルの作成と取り扱い    

モデル固有プロパティ

残りのLTIプロパティは、4つのモデルタイプ(TF、ZPK、SS、FRD)のいずれか固有のものです。単一のLTIモデルに対して、4つの表に要約します。プロパティ値は、LTI配列で異なります。これらの値の詳細については、setを参照してください。

表 1-5 : TF-固有のプロパティ 
プロパティ名
詳細
プロパティ値
den
分母(s)
行ベクトルの実数セル配列
num
分子
行ベクトルの実数セル配列
Variable
伝達関数変数
文字列 's', 'p', 'z', 'q', 'z^-1'
表 1-6: ZPK-固有のプロパティ 
プロパティ名
詳細
プロパティ値
k
ゲイン
2次元行列
p

列ベクトルのセル配列
Variable
伝達関数変数
文字列 's', 'p', 'z', 'q', 'z^-1'
z
零点
列ベクトルのセル配列
表 1-7: SS-固有のプロパティ 
プロパティ名
詳細
プロパティ値
a
状態行列
2次元行列
b
入力行列
2次元行列
c
状態出力行列
2次元行列
d
直達行列
2次元行列
e
ディスクリプタ 行列
2次元行列
Nx
状態数
スカラ整数
StateName
状態名
文字列のセルベクトル

表 1-8:  FRD-固有のプロパティ
プロパティ名
詳細
プロパティ値
Frequency
周波数データ点
実数値ベクトル
ResponseData
周波数応答
複素数値多次元配列
Units
周波数に対する単位
文字列 'rad/s'、または、'Hz'

以上のプロパティのほとんどは、モデルデータのストア専用です。行列は、標準の状態空間モデルに対しては[](空行列)に設定され、実際の値に対する格納効率のための略記です。

Variableプロパティは、TFオブジェクトやZPKオブジェクトにのみ関連します。このプロパティは、伝達関数の周波数変数を定義します。デフォルト値は、連続時間の's'(Laplace変数)で、他に離散時間の'z'(-変換)を使うことができます。他の選択可能なものとして、 変数と関係のある'q'または'z^-1'を使うことができます。変数の選択の影響は、TFまたはZPKモデルの表現にほとんど限定されます。例外は、tf を使って離散時間の伝達関数の設定を行う場合です(詳細は、tfを使ってください)。

tfは、Variableプロパティが'z^-1'または'q'に設定したとき、filtと同じ結果を出力します。

最後に、StateNameプロパティは、InputNameOutputNameプロパティに似ており、状態空間モデルにおける状態名を管理します。


 一般プロパティ LTIプロパティの設定