モデルの作成と取り扱い    

一般プロパティ

一般プロパティは、4つのLTIモデルのすべて(TF、ZPK、SS、FRDオブジェクト)が共有するプロパティです。これらをつぎの表に示します。

表2-4: 基本的なLTIプロパティ
プロパティ名
詳細
プロパティ値
ioDelay
I/O遅れ(s)
行列
InputDelay
入力の遅れ
ベクトル
InputGroup
入力チャンネルグループ
セル配列
InputName
入力チャンネル名
文字のセルベクトル
Notes
モデル履歴についての注釈
テキスト
OutputDelay
出力遅れ(s)
ベクトル
OutputGroup
出力チャンネルグループ
セル配列
OutputName
出力チャンネル名
文字のセルベクトル
Ts
サンプル時間
スカラ
Userdata
追加データ
任意

サンプル時間プロパティTsは、離散系のサンプル時間(秒単位)を管理します。形式的に、連続系に対してはTs0で、サンプル時間を設定しない離散時間システムに対しては-1です。MIMOシステムの場合でも、Tsはスカラです。

InputDelay, OutputDelay, ioDelayプロパティを使って、入力チャンネル、出力チャンネル、または入/出力チャンネルペアでのむだ時間(遅れ)を設定することができます。これらのデフォルト値は、ゼロ(遅れなし)です。遅れに関するモデル化についての詳細は、"むだ時間"を参照してください。

InputNameおよびOutputNameプロパティにより、個々の入力と出力に名称を付けることができます。これらのプロパティの個々の値は、入力数または出力数に等しいセルをもつ文字列のセルベクトルです。たとえば、OutputNameプロパティをtemperaturepressureとラベル付けされた2つの出力をもつシステムに対して、つぎのように設定されます。

デフォルト値は、空の文字列のセルです。

LTIオブジェクトのInputGroupプロパティとOutputGroupプロパティを使って、種々の入力グループや出力グループを作成でき、グループに名前を付けることができます。たとえば、5入力モデルの最初の4入力をcontrolsと名付け、残りをnoiseと名付けることもできます。詳細は、"入力グループと出力グループ"を参照してください。

最後に、NotesUserdataが、モデルに関する追加情報をストアするために利用できます。Notesプロパティは、ユーザのモデルに付加させたい任意のテキスト入力(モデル履歴)専用であるのに対して、Userdataプロパティはユーザが提供する任意のデータを受け入れることができます。いずれもデフォルトでは空です。

LTIプロパティの使用法に関する詳細は、"LTIプロパティへの付加情報"を参照してください。


 LTI プロパティProperties モデル固有プロパティ