Signal Processing Toolbox    

重要な分野:フィルタ設計とスペクトル解析

基本関数とは別に、ツールボックスでは、フィルタ設計やスペクトル解析の重要な分野に対する豊富で、カスタマイズ可能な関数を用意しています。アプリケーションに適した設計手法を実現したり、直接ディジタルフィルタを設計したり、あるいは、アナログのプロトタイプを作成して、それを離散化するというような事柄を簡単に実現します。ツールボックスの関数は、パラメトリック手法、または、ノンパラメトリック手法を用いて、パワースペクトル密度やクロススペクトル密度の推定も行います。第2章"フィルタ設計"と第3章"統計的信号処理"では、それぞれフィルタ設計とスペクトル解析のためのツールボックス関数について詳細に説明しています。

周波数応答の計算やグラフ表示のための関数のほかに、システム同定、信号生成、離散コサイン変換、chirp-z変換、Hilbert変換、ラティスフィルタ、リサンプリング、時間-周波数解析、および基本的な通信システムのシミュレーションのための関数も用意されています。

対話型ツール:SPTool と FDATool(GUI)

Signal Processing Toolboxの機能は、使い易い対話型ツール(GUI)により大幅に向上しています。SPTool は、信号の可視化、フィルタ設計、スペクトル解析用の豊富なグラフィカル環境を提供します。Filter Design and Analysis Tool(FDATool) は、フィルタ設計に関する種々の問題に、より対応するものを集めたものです。FDATool は、Filter Design Toolbox がインストールされている場合に、他のフィルタ設計法や量子化手法にシームレスで、アクセスするものです。

拡張性

MATLAB環境の最も重要な特徴は、おそらく、拡張性でしょう。MATLABでは、信号処理システムの研究、設計、またはエンジニアリングに必要な数値計算のためのユーザ独自のMファイルを作成することができます。Signal Processing Toolboxに用意されているMファイルを単にコピーし、必要に応じて、それを修正するか、あるいは新しい関数を作成してツールボックスの機能を拡張してください。


 信号処理の基礎 信号の表現