Signal Processing Toolbox    

信号の表現

MATLABの中心的なデータ構造は、数値配列、すなわち、2次元、あるいは、それ以上の次元をもつ実数、または、複素数の数値データを順番に並べたものです。当然のことながら、信号処理の基本的なデータオブジェクト(1次元の信号やデータ列、多チャンネル信号、2次元の信号)は、すべて配列表現に適しています。

ベクトル表現

MATLABでは、通常の1次元のサンプリングされたデータ信号、または、データ列を、ベクトルとして表現します。ベクトルは、1行 n 列、または、 n 行1列の配列です。ここで、n はデータ列のサンプルの数を示します。MATLABでデータ列を入力する方法の1つは、コマンドプロンプトのもとで、そのデータ列の各要素を、個々に入力することです。ステートメント

は、簡単な5要素の実数列の行ベクトルを作成します。つぎのステートメントにより、この実数列を、列ベクトルに変換することができます。

その結果、

が得られます。

列方向に1つのチャンネルのデータを表す方法は、多チャンネルに自然に拡張できるため、好ましい方法といえます。多チャンネルデータでは、行列の各列が、1つのチャンネルを表します。その場合、このような行列の各行は、サンプル点に対応します。たとえば、x2xx/からなる3チャンネルの信号は、

と表され、その結果、

が得られます。

 重要な分野: フィルタ設計とスペクトル解析 波形の生成: 時間ベクトルと正弦波