Signal Processing Toolbox    

信号処理の基礎


Signal Processing Toolboxの基本的な事柄

本章では、信号処理アプリケーションのために、MATLABとSignal Processing Toolboxを使い始めるにあたり、その方法について説明します。ここでは、フィルタや線形システム理論、基本的なフーリエ解析などのトピックを含む、信号とシステムに関する基礎知識と理解を前提としています。

このマニュアルでは、全体にわたって、ツールボックスの関数の適用方法を示す多くの例題を示しています。まだ、MATLABの信号処理機能に慣れていない場合は、このソフトウェアを使って、本章の例題を試してみて、利用できる強力な機能について学習してください。

Signal Processing Toolboxの関数は、ほとんどが、M-ファイルで表現されるアルゴリズムで、さまざまな信号処理操作を実現できます。このようなツールボックスの関数は、MATLABの計算およびグラフィカル環境を特別に拡張したものです。

フィルタリングとFFT

信号処理の中で最も重要な関数と考えられる、つぎの2つのものは、Signal Processing ToolboxではなくMATLABの組込み関数として提供されています。

これらの関数が行う演算は、標準的な信号処理の主な計算機能です。本章では、この両方について説明します。Signal Processing Toolboxは、多項式の根の算出、複素数演算、逆行列計算、行列繰作、グラフィックスツールを含む、その他多くの標準的なMATLAB関数や言語機能を使用しています。

信号とシステム

ツールボックスの関数が扱う基本要素は、信号とシステムです。これらの関数では、アナログまたは連続的な信号とは異なり、ディジタルまたは離散的な信号やフィルタを強調したものです。ツールボックスがサポートしている主なフィルタタイプは、単入力単出力の線形時不変のディジタルフィルタです。いくつかのモデル(伝達関数、状態空間(State space)、零点-極-利得、2次型表現)の1つを使って、線形時不変システムを表現でき、各モデル表現間で変換することができます。


 用語の説明 重要な分野: フィルタ設計とスペクトル解析