Real-Time Workshop User's Guide | ![]() ![]() |
コンパイラの選択と構成
Real-Time Workshopのビルドプロセスは、1つまたは複数のサポートされているコンパイラの正しいインストレーションが必要となります。この状況で、compilerは、高水準言語コンパイラに加えて、リンカやmakeユーティリティを含む開発環境を参照します。
ビルドプロセスは、テンプレートmakeファイルの選択も必要です。テンプレートmakeファイルは、生成コードをコンパイルするために、ビルドのmakeフェーズ中に利用されるコンパイラを決定します。
この節では、WindowsおよびUNIXシステムでのコンパイラのインストール方法、および適切なテンプレートmakeファイルの選択方法を説明します。
Windowsでのコンパイラの選択と構成
Windowsでは、1つまたは複数のサポートされているコンパイラをインストールする必要があります。さらに、各コンパイラに関連する環境変数を定義する必要があります。コンパイラが、「Windowsでのサードパーティコンパイラのインストール」に記述されている通りにインストールされていることを確認してください。
コンパイラ固有のテンプレートmakeファイルを選択することが可能です。たとえば、grt_bc.tmf
はBorland C/C++コンパイラ用で、grt_vc.tmf
はVisual C/C++コンパイラ用です。
あるいは、システムに対してデフォルトコンパイラを選択するならば、デフォルトテンプレートmakeファイルを選択することができます。デフォルトのコンパイラは、MATLABがMEX-ファイルをビルドするために利用するコンパイラです。以下のようにMATLABのmex
コマンドを使って、デフォルトコンパイラを設定できます。
mex -setup
mex
コマンドに関する情報については、MATLAB Application Program Interface Guideを参照してください。
デフォルトのテンプレートmakeファイル名は、target
_default_tmf
です。たとえば、一般的リアルタイム(GRT) ターゲットに対するデフォルトのテンプレートmakeファイルは、grt_default_tmf
です。
ビルドプロセスは、生成コードに対してコンパイラを設定するために、以下のロジックを使います。
grt_default_tmf
のように)デフォルトコンパイラを指名する場合は、ビルドプロセスはC MEX-ファイルのビルドで用いたのと同じコンパイラを使います。
MSDevDir
または DEVSTUDIO
( Microsoft Visual C/C++のパスを定義)WATCOM
(Watcom C/C++ compilerのパスを定義)BORLAND
(Borland C/C++ compilerのパスを定義)lcc
コンパイラを選択します。Visual C/C++に対するCompile/Buildオプション Real-Time Workshopは、Visual C/C++用に設計された2つのテンプレートmakeファイルを提供します。
Visual C/C++でコンパイルし、Real-Time Workshopのビルドプロセスで実行ファイルをビルドするには、以下のtarget
_vc.tmf
テンプレートmakeファイルのうちの1つを使います。
ert_vc.tmf
grt_malloc_vc.tmf
grt_vc.tmf
rsim_vc.tmf
あるいは、Visual C/C++ IDE用のプロジェクトmakeファイル(model
.mak
) を作成するために選択することができます。この場合、Visual C/C++環境でコードをコンパイル、リンクする必要があります。Visual C/C++プロジェクトmakeファイルを作成するには、grt
, ert
, grt_malloc
ターゲット構成のVisual C/C++ Project Makefileバージョンのいずれかを選択します。これらの構成は、以下のtarget
_msvc.tmf
テンプレートmakeファイルを利用します。
ert_msvc.tmf
grt_malloc_msvc.tmf
grt_msvc.tmf
UNIXでのコンパイラの選択と構成
UNIXでは、Real-Time Workshopのビルドプロセスは、デフォルトのコンパイラを利用します。cc
は、gcc
ターゲットに適したUNIX固有のテンプレートmakeファイルを選択してください。たとえば, grt_unix.tmf
は、UNIXで一般的リアルタイムプログラムをビルドする正しいテンプレートmakeファイルです。
利用可能なコンパイラ/Makeファイル/ターゲット構成
コンパイラおよびターゲットに対してどのテンプレートmakeファイルが適切かを決定するには、「System Target File Browserから利用可能」の表を参照してください。
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