Real-Time Workshop User's Guide    

チューニング可能な式

Real-time Workshopは、式の内部でのチューニング可能な変数の利用をサポートします。1つまたは複数のチューニング可能なパラメータを含む式は、チューニング可能な式と呼ばれます。

現在では、式の内部でのチューニング可能な変数の利用には制限があります。以下で、サポートされていないと記述されている式がコード生成中にある場合、ワーニングが表示されチューニング不可能な式がコード内に生成されます。チューニング可能な式の制限は、以下の通りです。

各カテゴリに適用される規則は、以下の通りです。

マスクされたサブシステムのチューニング可能な式

チューニング可能な式は、マスクされたサブシステムで利用できます。マスクされたサブシステムダイアログで、チューニング可能なパラメータ名またはチューニング可能な式を利用できます。低レベルのサブシステムで参照されるときには、パラメータはチューニング可能のままです。

例題として、下記に示したマスクされたサブシステムを考えます。マスクされたダイアログ変数k は、theGainのゲインパラメータを設定します。

ベースワークスペース変数bは、SimulinkGlobal(Auto)ストレージクラスで、チューニング可能と宣言されていると仮定します。図 3-11は、サブシステムのマスクダイアログ内のチューニング可能な式b*3を示します。

図 3-11: Subsystem Maskダイアログのチューニング可能な式

Real-Time Workshopは、theGainに対して以下の出力を生成します。

bは、グローバルパラメータ構造体rtPのメンバとして表わされます。

マスクされたサブシステムでのチューニング可能な式の制限   マスク初期化コードで宣言された、あるいは変更された変数を含む式は、チューニング不可能です。

例題として、上記のサブシステムを以下のように変更します。

マスク初期化コードは、1回だけ実行できるので、k はコード生成時につぎのように評価されます。

Real-Time Workshopは、結果をインライン化します。そのため、 bがチューニング可能と宣言されたにもかかわらず、コードジェネレータは、theGainに対してつぎのように出力を生成します。


 Model Parameter Configurationダイアログの使用法 信号: ストレージ、最適化、インタフェース