モデルの作成と取り扱い | ![]() ![]() |
LTIオブジェクト
使用するモデルタイプにより、データは、SISO伝達関数に対して単純な分子/分母の型、状態空間モデルに対して4つの行列、MIMOの零点-極-ゲインモデルに対して複数の零点と極の組、FRDモデルに対して周波数とそれに対する応答のベクトルの型をしています。便宜上、Control System Toolboxは、それぞれのモデルタイプに対して、カスタマイズされたデータ構造(LTIオブジェクト)を用意しています。これらは、それぞれ、TF,ZPK,SS,FRDオブジェクトと言われます。これら4つのLTIオブジェクトは、モデルデータを求め、いくつかのデータベクトルや行列を使うのとは異なり単一の変数としてLTIシステムを取り扱うことができます。
LTIオブジェクトの作成:例題
TF,ZPK,SS,FRDタイプのLTIオブジェクトは、ユーザが対応する作成関数、tf
, zpk
, ss
, frd
を読み込むと作成されます。たとえば、
P = tf([1 2],[1 1 10])
は、つぎの伝達関数の分子係数と分母係数をストアしているTFオブジェクトP
を作成します。
LTIオブジェクトのすべてのタイプを作成する方法については、"LTIモデルの作成"を参照してください。
LTIプロパティと手法
LTIオブジェクトの実現は、MATLABのオブジェクト指向のプログラミング機能によるものです。オブジェクトは、クラス(TF,ZPK,SS,FRD)を示す付加的なフラグをもつMATLAB構造体で、オブジェクトプロパティと呼ばれる前もって設定しているフィールドをもっています。LTIオブジェクトに対して、これらのプロパティは、モデルデータ、サンプル時間、遅れ、入力名、出力名、入力群、または、出力群を含んでいます(詳細は、"LTIプロパティ"を参照してください)。特別なオブジェクトに機能する関数は、オブジェクトメソッドといわれます。オブジェクトメソッドには、加算や乗算などの単純な演算のカスタマイズされたバージョンが含まれる場合があります。たとえば、
P = tf([1 2],[1 1 10]) Q = 2 + Pは、つぎの伝達関数の加算を実行します。
標準演算のオブジェクト固有バージョンは、オーバロード演算と呼びます。オブジェクト、メソッド、オブジェクト指向プログラミングの詳細については、Using MATLABの第14章"クラスとオブジェクト"を参照してください。LTIオブジェクトへの演算の詳細は、2章の"LTIモデルへの演算"を参照してください。
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