モデルの作成と取り扱い | ![]() ![]() |
入力/出力遅れの設定
ioDelay
プロパティを使って、伝達関数の各成分に独立な遅れをもつ周波数領域モデルを設定できます。連続時間の場合、このようなモデルは、つぎの型の伝達関数です。
ここで、は
の有理関数で、
は入力
と出力
間のむだ時間です。離散時間での遅れについては、"離散時間モデルで遅れの設定"を参照してください。スカラ
を使って、任意のI/Oの遅れを参照できます。
H = tf(num,den,'ioDelay',Tau)
H = zpk(z,p,k,'ioDelay',Tau)
num
, den
(それぞれ、z
, p
, k
) は、伝達関数Tau
は、各々のI/Oの組に関するむだ時間行列です。そして、Tau(i,j)
は、I/O遅れTau
と状態空間モデルと一緒に使用するには、ioDelay
プロパティを使って可能です。
sys = ss(A,B,C,D,'ioDelay',Tau)
蒸留物の例題
この例題は、参考文献[2]からのもので、プロセスのモデリングの中でI/O遅れの使用を示します。対象は、つぎの図の下部に示される蒸留部です。この部分は、メタノールと水の混合物をbottom products(大部分は水)に分類し、高濃度のメタノールを生成するものです。
目的は、注入する流量率 と蒸気の流入率
を調整して、
を最大にすることです。
定常状態の操作条件まわりで線形化モデルを得るために、蒸気と注入する流量内にパルスを入力することで、過渡応答を一次の遅れをもつシステムにフィットします。結果の伝達関数モデルは、つぎのようになります。
各入力/出力の組に対して、異なるむだ時間を設定することができることに注意してください。
H = tf({12.8 -18.9;6.6 -19.4},... {[16.7 1] [21 1];[10.9 1] [14.4 1]},... 'iodelay',[1 3;7 3],... 'inputname',{'R' , 'S'},... 'outputname',{'Xd' , 'Xb'})
Transfer function from input "R" to output... 12.8 Xd: exp(-1*s) * ---------- 16.7 s + 1 6.6 Xb: exp(-7*s) * ---------- 10.9 s + 1 Transfer function from input "S" to output... -18.9 Xd: exp(-3*s) * -------- 21 s + 1 -19.4 Xb: exp(-3*s) * ---------- 14.4 s + 1
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