モデルの作成と取り扱い    

状態空間モデル

状態空間モデルは、システムダイナミクスを記述するための線形微分または差分方程式に依存します。連続時間モデルは、つぎの形式をしています。

ここで、xは状態ベクトルであり、u, yは入力および出力ベクトルです。そのようなモデルは、物理方程式、あるいは状態空間同定から生じるか、伝達関数システムの状態空間実現によって生じます。

コマンドssを用いて、状態空間モデルを作成します。

Nxの状態、Nyの出力、Nuの入力をもったモデルに対して、

これにより状態空間行列ABCDをストアするSSオブジェクトsysが作成されます。ゼロのD行列をもったモデルに対して、整合性のある次元をもったゼロ行列の省略形として、D = 0を使うことができます。

実例として、つぎの電気モータの単純なモデルについて考えます。

ここで、はロータの角変位であり、 は駆動電流です。

入力電流および角速度の関係は、つぎの状態空間方程式によって記述されます。

ここで、

です。このモデルは、以下のように設定します。

MATLABは、つぎの出力を行います。

ABCD行列に加えて、状態空間モデルの表示は、状態名、入力名、出力名を含むことができます。デフォルト名(ここでは、x1、x2、u1、y1)は、それらが定義されていない場合に使われます。状態名、入力名、出力名の設定法の詳細は、"LTIプロパティ"を参照してください。


 零点/極/ゲインモデル ディスクリプタ状態空間モデル