MATLAB Function Reference    

print, printopt

ハードコピー出力の作成

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詳細

printprintopt は、ハードコピーを作成します。print コマンドへのすべての引数は、オプションです。それらを使う場合、組み合わせや順番は任意です。

print は、任意のユーザのインタフェースコントロールのビットマップ表現を含んで、カレントフィギュアの内容を、printopt で定義されたデバイスとシステムプリントコマンドを使って、プリンタに送ります。

print -device は、(sカラーの PostScript のような)プリントデバイス、または、(TIFFのような)グラフィックファイルフォーマットを指定します。-device が、-dmeta、または、-dbitmap (Windows のみ)に設定されている場合、フィギュアは、クリップボードにセーブされます。-device を省略すると、print は、printopt でストアされるデフォルトを使います。サポートしているデバイスタイプは、デバイス の節を参照してください。

print -options は、print コマンドの機能を修正するプリントオプションを設定します(たとえば、-noui オプションは、ユーザインタフェースコントロールの印刷を省略します)。使用可能なオプションについては、オプション の節を参照してください。

print filename は、filename で指示されるファイルに出力します。filename が拡張子を含んでいない場合、print は、指定しているフォーマット(たとえば、.ps、または、.tif)、または、ドランバに依存して、適切な拡張子を付加します。

print(...) は、print の関数型です。ユーザは、いくつかの入力引数に変数を渡すことができます。この型は、ファイル名やハンドルを渡す場合に、有効です。例題については、バッチ処理 を参照してください。

[pcmd,dev] = printopt は、カレントのシステムに依存した印刷コマンドと出力デバイスを含む文字列を戻します。printopt は、ハードコピー出力を作成するための print によって使われる M-ファイルです。ユーザは、M-ファイル printopt.m を編集して、ユーザのデフォルトのプリンタタイプと出力先を設定することができます。

pcmddev は、プラットフォームに依存した文字列です。pcmd は、print が、プリンタにファイルを送るときに使用するコマンドを含んでいます。dev は、print コマンドに対するプリンタドライバ、または、グラフィックフォーマットオプションを含みます。デフォルトは、プラットフォームに依存したものです。

プラットフォーム
システムの印刷コマンド
ドライバ、または、フォーマット
UNIX
lpr -r -s
-dps2
VMS
PRINT/DELETE
-dps2
Windows
COPY /B %s LPT1:
-dwin

ドライバ

つぎの表は、MATLAB でサポートされているプリンタドライバの一覧です。ユーザがドライバを指定していない場合、MATLAB は、前の表で示したデフォルト設定を使います。

いくつかのドライバは、GhostScript と呼ばれる製品から得ることができます。これは、MATLAB と共に出荷されます。最後の列は、GhostScript が使用される場合を示しています。

これらの中で、いくつかのドライバは、すべてのプラットフォームで使用可能ではありません。これは、表の最初の列の中に記されています。

プリンタドライバ
MATLAB でのコール法
Ghost-
Script

Canon BubbleJet BJ10e
print -dbj10e

Canon BubbleJet BJ200 color print -dbj200

Canon Color BubbleJet 600/4000/70 color (not supported on DEC Alpha)
print -dbjc600

DEC LN03
print -dln03

Epson and compatible 9- or 24-pin dot matrix print drivers
print -depson

Epson and compatible 9-pin with interleaved lines (triple resolution)
print -deps9high

Epson LQ-2550 and compatible; color (not supported on HP-700)
print -depsonc

Fujitsu 3400/2400/1200
print -depsonc

HP DesignJet 650C color (not supported on Windows or DEC Alpha)
print -ddnj650c

HP DeskJet 500
print -ddjet500

HP DeskJet 500C (creates black-and-white output)
print -dcdjmono

HP DeskJet 500C (with 24 bit/pixel color and high-quality Floyd-Steinberg color dithering) (not supported on Windows or DEC Alpha)
print -dcdjcolor

HP DeskJet 500C/540C color (not supported on Windows or DEC Alpha) print -dcdj500

HP Deskjet 550C color (not supported on Windows or DEC Alpha)
print -dcdj550

HP DeskJet and DeskJet Plus
print -ddeskjet

HP LaserJet
print -dlaserjet

HP LaserJet III
print -dljet3

HP LaserJet IIP
print -dljet2p

HP LaserJet+
print -dljetplus

HP PaintJet color
print -dpaintjet

HP PaintJet XL color
print -dpjxl

HP PaintJet XL color
print -dpjetxl

HP PaintJet XL300 color (not supported on Windows or DEC Alpha)
print -dpjxl300

HPGL for HP 7475A and other compatible plotters. (Renderer cannot be set to Z-buffer.)
print -dhpgl

IBM 9-pin Proprinter
print -dibmpro

PostScript black and white
print -dps

PostScript color
print -dpsc

PostScript Level 2 black and white
print -dps2

PostScript Level 2 color
print -dpsc2

Windows color (Windows only)
print -dwinc

Windows monochrome (Windows only)
print -dwin

グラフィックフォーマットファイル

ユーザのファイルをグラフィック-フォーマットファイルとしてセーブするには、フォーマットのスイッチとファイル名を設定してください。組み込みの MATLAB フォーマットに対して、出力ファイルの解像度を設定するには、-r スイッチを使います(たとえば、-r300 は、インチあたり 300 ドットの出力解像度に設定します)。-r スイッチは、GhostScript フォーマットをサポートしていません。

下の表は、MATLAB からイクスポートされる場合に、サポートしている出力フォーマットと使用するスイッチ設定を示しています。いくつかの場合、フォーマットは、MATLAB の出力ファイルとして、また、GhostScript 出力ファイルとして、使用可能なものです。これは、最初の列内に、括弧で括った"MATLAB"、または、"GhostScript" として示しています。3番目の列は、フォーマットをサポートしているプラットフォームを示しています。

ファイルフォーマット
オプション文字列 (コマンドラインのみ)
使用可能なプラットフォーム(UNIX、または、PC)
BMP (Ghostscript) 24-bit BMP
-dbmp16m
PC のみ
BMP (Ghostscript) 8-bit (256-color) BMP * このフォーマットは、固定カラーマップを使用
-dbmp256
PC のみ
BMP (MATLAB) 24-bit
-dbmp
PC のみ
EMF (MATLAB)
-dmeta
PC のみ
EPS (MATLAB) 黒白
-deps
両方
EPS (MATLAB) color
-depsc
両方
EPS (MATLAB) Level 2 黒白
-deps2
両方
EPS (MATLAB) Level 2 color
-depsc2
両方
HDF (MATLAB) 24-bit
-dhdf
PC のみ
ILL (Adobe Illustrator) (MATLAB)
-dill
両方
JPEG (MATLAB) 24-bit
-djpeg
両方
PBM (Ghostscript) (plain format) 1-bit
-dpbm
UNIX only
PBM (Ghostscript) (raw format) 1-bit
-dpbmraw
UNIX only
PCX (Ghostscript) 1-bit
-dpcxmono
PC のみ
PCX (Ghostscript) 24-bit color PCX file format, three 8-bit planes
-dpcx24b
PC のみ
PCX (Ghostscript) 8-bit Newer color PCX file format (256-color)
-dpcx256
PC のみ
PCX (Ghostscript) Older color PCX file format (EGA/VGA, 16-color)
-dpcx16
PC のみ
PCX (MATLAB) 8-bit
-dpcx
PC のみ
PGM (Ghostscript) Portable Graymap (plain format)
-dpgm
UNIX only
PGM (Ghostscript) Portable Graymap (raw format)
-dpgmraw
UNIX only
PNG (MATLAB) 24-bit
-dpng
両方
PPM (Ghostscript) Portable Pixmap, plain format
-dppm
UNIX only
PPM (GhostScript) Portable Pixmap raw format -dppmraw
UNIX only
PPM (GhostScript) Portable Pixmap, plain format
-dpcx24b
UNIX only
TIFF (MATLAB) 24-bit
-dtiff or -dtiffn 両方
TIFF preview for EPS Files
-tiff
Both. Only valid for EPS files.

TIFF イメージフォーマットは、インポートされるイメージに対して、すべてのワードプロセッサにより、すべてのプラットフォーム上でサポートされています。JPEG は、ロスが大きいですが、圧縮度の高いフォーマットで、イメージ処理用や、World Wide Web 上で HTML ドキュメントの中に含まれるものとして、すべてのプラットフォーム上でサポートされています。これらのフォーマットを作成するには、MATLAB は、Z-バッファレンダリング法を使って、フィギュアをレンダリングし、結果のビットマップを指定したファイルにセーブします。

オプション

つぎの表は、print に対して指定できるオプションをまとめたものです。2番目の列には、詳細な情報を含むチュートリアルがどの節に含まれているかを示しています。リストされた節は、MATLAB を使ったフィギュアの印刷とイクスポート の下に設定されています。

オプション
詳細
-adobecset
PostScript のみ。PostScript デフォルトキャラクタ設定符号化を使用。初期 PostScript 1 プリンタを参照
-append
PostScript のみ。フィギュアを既に存在する PostScript ファイルに付加。フィギュアを PostScript ファイルに付加を参照
-cmyk
PostScript のみ。RGB の代わりに、CMYK カラーを使って印刷。Creating CMYK Outputを参照。
-device
使用するプリントドライバ。プリンタドライバの指定を参照。
-dsetup
Print Setup ダイアログの表示。Print コマンドを使って、Print Dialog ボックスを起動を参照。
-fhandle
フィギュアのハンドル。このオプションと-swindowtitle オプションを同時に設定できないことに注意してください。フィギュアをプリンタに指定 を参照してください。
-loose
PostScript と GhostScript のみ。PostScriptに対しては、loose bounding box を使用します。囲っていないフィギュアを印刷、または、イクスポート を参照。
-noui
ユーザにインタフェースコントロールの印刷を省略。ユーザ出力から UI コントロールを除外 を参照。
-OpenGL
OpenGL アルゴリズムを使って、レンダリング。-zbuffer、または、-painters と共にこの方法を設定できないことに注意してください。リンダリング法の設定 を参照してください。
-painters
Painter アルゴリズムを使ったレンダリング。-zbuffer、または、-OpenGL と共にこの方法を設定できないことに注意してください。リンダリング法の設定 を参照。
-Pprinter
UNIX のみ。使用するプリンタの名前の設定。プリンタの設定 を参照。
-rnumber
PostScript と GhostScript のみ。インチあたりのドット数で、解像度を指定。解像度の設定 を参照。
-swindowtitle
印刷する Simulink システムウインドウ名を指定。このオプションと -fhandle オプションを同時に設定できません。印刷するフィギュアの指定 を参照してください。
-v
Windows のみ。Windows Print ダイアログボックスの表示。v は、"verbose mode" の略です。Print コマンドを使って、Print Dialog Boxes を起動 を参照。
-zbuffer
Z-buffer アルゴリズムを使ったレンダリング。この方法を、-OpenGL、または、-painters と併用できないことに注意してください。レンダリング方法の設定 を参照。

用紙のサイズ

MATLAB は、いくつかの標準の用紙サイズをサポートしています。つぎのリストから、フィギュアのPaperType プロパティを設定するか、印刷(Print) ダイアログボックスからサポートされている用紙サイズを選択するかにより、選択することができます。

プロパティ値
サイズ (幅 x 高さ)
usletter
8.5 x 11 インチ
uslegal
11 x 14 インチ
tabloid
11 x 17 インチ
A0
841 x 1189mm
A1
594 x 841mm
A2
420 x 594mm
A3
297 x 420mm
A4
210 x 297mm
A5
148 x 210mm
B0
1029 x 1456mm
B1
728 x 1028mm
B2
514 x 728mm
B3
364 x 514mm
B4
257 x 364mm
B5
182 x 257mm
arch-A
9 x 12 インチ
arch-B
12 x 18 インチ
arch-C
18 x 24 インチ
arch-D
24 x 36 インチ
arch-E
36 x 48 インチ
A
8.5 x 11 インチ
B
11 x 17 インチ
C
17 x 22 インチ
D
22 x 34 インチ
E
34 x 43 インチ

印刷に関するアドバイス

この節では、印刷での問題に関する情報を提供します。

リサイズ機能を使ったフィギュア

コマンド print は、フィギュアのResizeFcn に対して定義されたコールバックルーチンをもつフィギュアを印刷する場合、ワーニングを生じます。このワーニングを避けるために、フィギュアの PaperPositionMode プロパティを auto に設定するか、または、File->Page Setup... ダイアログボックスの中で、Match Figure Screen Size を選択するかのいずれかを行ってください。

MS-Windows 上の印刷でのトラブル

MS-Windowsプリンタドライバを使用中に、segmentation violations、general protection faults、アプリケーションエラー、希望通りに出力が表示されない、のような問題が生じた場合は、つぎのようにしてください。

Windows95での太線の印刷

Windows95の制限により、MATLABはラインをつぎのいずれかとして印刷します。

1ピクセル幅以上のラインを作成したり、実線でないラインスタイルを使用する場合には、MATLABは1ピクセル幅の指定したラインスタイル(すなわち細いライン)でこれらのラインを印刷します。

しかし、matlab.iniファイルを修正することによって、太いスタイル付きのラインを太い実線として印刷するように、変更できます。このファイルは、Windowsディレクトリにあります。このファイルで、つぎの部分を探してください。

そして、つぎの割り当て

に変更し、MATLABを再起動してください。

MATLAB GUIの印刷

つぎのプロパティを設定することで、MATLABの uicontrolsを含むフィギュアウィンドウを印刷するときに、より良い結果を得ることができます。

PostScript Driverを使った内挿シェーディングの印刷に関する注意事項

MATLABは、内挿された色を使って、(surfmeshを使って作成されたグラフのような)Surfaceオブジェクトを印刷することができます。しかし、三角形の面で構成されているPatchオブジェクトのみが、内挿されたシェーディングを使って印刷できます。

印刷された出力は、常にカラーマップの色ではなく、RGB空間に内挿されています。これは、インデックス付きカラーや内挿された面のカラーを使用している場合には、印刷出力はスクリーン上に表示されたのと異なって見えることを意味します。

内挿されたシェーディングに対して生成されたPostScriptファイルは、グラフィックスオブジェクトの頂点のカラー情報を含み、プリンタが内挿の計算を行うことを要求します。これは、時間が余計にかかり、プリンタが印刷ジョブを終了する前に"time-out"になる場合があります。この問題の解決法の1つは、データを内挿して、フラットシェーディングされる多くの面を作成することです。

スクリーン上の表示と印刷出力を一致させるためには、-zbufferオプションを使って印刷してください。高解像度を得るためには、(たとえば、テキストをよりきれいに表示するためには)、解像度を上げる-rオプションを使ってください。しかし、これは、解像度と作成されたPostScriptファイルのサイズとのトレードオフであり、ファイルのサイズは高解像度では非常に大きくなります。デフォルトの解像度150 dpiは、一般的に良い結果を出力します。印刷する前にフィギュアを小さくし、フィギュアのPaperPositionModeautoに設定するか、PaperPositionプロパティを小さい値に設定することによって、出力ファイルのサイズを小さくすることができます。

UNIX環境では、デフォルトのlprコマンドは、-sオプションを使わないと1 Mbyte以上のファイルを印刷できないことに注意してください。 詳細は、lpr マンページを参照してください。

例題

印刷するフィギュアの指定

フィギュアハンドルを指定することにより、カレントでないフィギュアをプリントすることができます。フィギュアが、タイトル"Figure No. 2" の場合、ハンドル番号は2です。そのときのシンタックスは、つぎのようになります。

つぎの例題は、カレントフィギュアであるか、ないかに関わらず、フィギュアハンドル2を印刷します。

つぎの例題は、ハンドル番号 -f2 をもつフィギュアを PostScript ファイル、Figure2 としてセーブし、後で、プリントできるようにします。

フィギュアは、整数でないハンドルを使用する場合、figure コマンドを使って、その値を取得し、それを最初の引数として渡します。

変数として、フィギュアハンドルをprintの関数型に渡すこともできます。たとえば、つぎのようにです。

つぎの例題は、print の関数型を使って、ファイル名を変数として渡すものです。

(ファイル名が指定されているので、フィギュアは、ファイルに出力されます)。

印刷するモデルを指定

カレントでない Simulink モデルを印刷するには、ウインドウのタイトル名と共に-s オプションを使用します。たとえば、つぎのコマンドは、f14とタイトル付けされた Simulink ウインドウを印刷します。

ウインドウのタイトルにスペースが含まれている場合、print のコマンド型よりもむしろ関数型でコールしてください。たとえば、つぎのコマンドは、Simulink ウインドウタイトル Thruster Control をセーブします。

使用しているカレントシステムを印刷するには、つぎのようにします。

Simulink ウインドウを印刷するために必要は情報については、Simulink のドキュメントを見てください。

つぎの例題は、内挿されたシェーディングをもつサーフェスプロットを印刷します。カレントフィギュア(gcf)のPaperPositionModeauto に設定すると、フィギュアウインドウをリサイズでき、スクリーン上で見えるサイズで印刷します。-zbuffer と -r200 オプションに関する情報については、Options と前の節を参照してください。

バッチ処理

print の関数型を使って、ファイル名を含む変数を渡します。たとえば、つぎの for ループは、一連のグラフを作成し、異なるファイル名で、各ファイルを印刷します。

Tiff プレビュー

コマンド

カラーの Encapsulated PostScript ファイル picture1.eps に、300 dpi の解像度で、カレントフィギュアをセーブします。-tiff オプションは、72 dpi TIFF プレビューを作成し、多くのワードプロセッサアプリケーションを使って、EPS ファイルにインポートしたあと、スクリーン上に表示できます。これを使って、スクリーン上の絵を、ユーザのワードプロセッサの中で、表示でき、それを、300 dpi の解像度を使って、PostScript プリンタで、印刷できます。

参考

orient, figure


  primes printdlg