Mathematics    

共分散係数と相関係数

MATLABの統計計算機能は、相関係数と共分散の計算に対して、2つの関数を用意しています。

関数
詳細
cov
ベクトルの共分散 - サンプル変数の広がり、または、バラツキ度
行列の共分散 - 変数間の線形関係の強さの尺度
corrcoef
相関係数 - 変数間の線形関係の強さの正規化された尺度

covは、データベクトルに対して分散を計算します。countの最初の列のデータの分散は、つぎの式を計算します。

配列データに対して、covは共分散行列を計算します。配列の列に対して、分散値は共分散行列の対角要素として配置されます。非対角要素は、オリジナルの配列の列間の共分散値を示しています。mn列の行列に対して、共分散行列はnn列の行列になります。例えば、count,cov(count)に対する共分散行列は、つぎのような配列になります。

corrcoefは、各行が観測で、各列が変数であるデータ配列に対して、相関係数行列を計算します。相関係数は、2つの変数間で線形な関係の強さを表す正規化された尺度です。相関のないデータは相関係数がゼロになります。全く等価なデータセットは相関係数が1になります。

mn列の行列に対して、相関係数行列はnn列の行列になります。相関係数行列の中の要素の位置は、上に記述されている共分散行列の中の要素の位置に対応します。

ここで扱っている交通量の例題に対して、

結果は、つぎのようになります。

3地点で観測された3つの交通量の間には、結果が1に近いので、強い線形の相関があることがわかります。


 関数のまとめ 有限差分