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コマンドのためのシミュレーションパラメータとソルバ特性を作成または編集します。
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options = simset(property, value, ...); options = simset(old_opstruct, property, value, ...); options = simset(old_opstruct, new_opstruct); simset
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simset
コマンドは、指定されたシミュレーションパラメータおよびソルバプロパティが指定の値をもつ、options
と呼ばれる構造体を作成します。未指定のパラメータと特性はすべて、それらのデフォルト値となります。パラメータまたは特性を一意的に識別するために十分な長さの先行文字を入力するだけで構いません。パラメータと特性に対しては大文字と小文字の区別は無視されます。
options = simset(property, value, ...)
は、指定されたプロパティの値を設定し、options
に構造体を保存します。
options = simset(old_opstruct, property, value, ...)
は、既存の構造体である old_opstruct
内の指定されたプロパティを修正します。
options = simset(old_opstruct, new_opstruct)
は、old_opstruct
および new_opstruct
の2つの既存のオプション構造体を組み合わせて、options
を作成します。new_opstruct
に定義されるプロパティはすべて、old_opstruct
に定義される同じプロパティを変更します。
入力引数をもたない simset
は、すべてのプロパティ名とその取り得る値を表示します。
get_param
および set_param
コマンドを用いて、これらの特性やパラメータの値を取り出したり設定したりすることはできません。
絶対誤差許容値 :このスカラは、状態ベクトルのすべての要素に適用されます。AbsTol
は、可変ステップソルバにのみ適用されます。
正の整数{1}
出力変数に対する間引き :出力変数 t
, x
, y
に適用される間引きファクタ。間引きファクタ1は、時間列に対するすべてのデータログを出力し、間引きファクタ2は、1つおきのデータログを出力します。
base | {current} | parent
変数を割り当てるワークスペース. :このプロパティは、出力変数あるいはTo Workspaceブロック上の出力変数として定義した変数を割り当てるワークスペースを指定します。
FinalStateName
string {''}
最終状態変数名 :このプロパティは、Simulinkがシミュレーションの終了時にモデルの状態を保存する変数の名前を指定します。
FixedStep
正のスカラ
固定ステップサイズ :このプロパティは、固定ステップソルバにのみ適用されます。モデルに離散系成分が含まれている場合、デフォルトは基本サンプル時間です。そうでない場合、デフォルトはシミュレーション区間の50分の1です。
InitialState
ベクトル {[]}
初期連続状態および初期離散状態 :初期状態ベクトルは、(存在するなら)連続状態と(存在するなら)それに続く離散状態から構成されます。モデル内で指定される初期状態は InitialState
で置き換えられます。デフォルトの空行列では、モデル内で指定された初期状態値が使われます。
正のスカラ {auto}
推奨初期ステップサイズ :このプロパティは、可変ステップソルバのみに適用されます。ソルバはまず、InitialStep
のステップサイズを試みます。デフォルトではソルバが自動的に初期ステップサイズを決定します。
1 | 2 | 3 | 4 | {5}
ode15sの最高次数 :このプロパティは、ode15s
のみに適用されます。
非負の整数 {0}
出力行の制限数: このプロパティは、t
, x
, y
に出力される行数を、最後から MaxRows
点のデータログに制限します。デフォルトの0を指定すると、制限は適用されません。
正のスカラ {auto}
ステップサイズの上限 :このプロパティは、可変ステップソルバのみに適用され、シミュレーション区間の50分の1にデフォルト設定されます。
OutputPoints
{specified} | all
出力点の決定 : specified
に設定すると、ソルバは timespan
で指定した時間でのみ、出力 t
, x
, y
を生成します。all
に設定すると、t
, x
, y
には、ソルバが使った時間ステップも含まれます。
{txy} | tx | ty | xy | t | x | y
出力変数の設定 :プロパティ文字列に 't'
, 'x'
, 'y'
がないと、ソルバは対応する出力 t
, x
, y
に空行列を生成します。
正の整数 {1}
出力リファインファクタ :このプロパティは、指定したファクタだけ出力点数を増加させ、より滑らかな出力を生成します。Refine
は可変ステップソルバのみに適用されます。出力時間を指定すると、Refineは無視されます。
正のスカラ {1e-3}
相対誤差許容値 :このプロパティは、状態ベクトルのすべての要素に適用されます。各積分ステップの推定誤差は、以下を満足します。
e(i) <= max(RelTol*abs(x(i)),AbsTol(i))
このプロパティは、可変ステップソルバのみに適用され、0.1%の精度に対応する1e-3にデフォルト設定されます。
Solver
VariableStepDiscrete |
ode45 | ode23 | ode113 | ode15s | ode23s |
FixedStepDiscrete |
ode5 | ode4 | ode3 | ode2 | ode1
時間進行方法 :このプロパティは、時間を進めるためにどのソルバを使用するかを指定します。
SrcWorkspace
{base} | current | parent
式を評価するワークスペース :このプロパティは、モデル内で定義されているMATLAB表現を評価するワークスペースを指定します。
Trace
'minstep', 'siminfo', 'compile' {''}
トレース機能 :このプロパティは、シミュレーショントレース機能を有効にします(コンマで区切ったリストとして1つまたは複数を指定します)。
'minstep'
:トレースフラグは、解の変化が余りにも突然で可変ステップソルバのステップサイズで誤差許容値を満足させることができないような場合に、シミュレーションを停止するように指定します。デフォルトでは、Simulinkがワーニングメッセージを出力してシミュレーションを続行します。'siminfo'
:トレースフラグは、シミュレーションの開始時に有効なシミュレーションパラメータの簡単な要約を提供します。'compile'
:トレースフラグは、ブロック線図モデルのコンパイル段階を表示します。
{on} | off
ゼロクロッシング検出の有効/無効 :このプロパティは、可変ステップソルバのみに適用されます。off
に設定すると、可変ステップソルバは、固有のゼロクロッシング検出をもつブロックに対するゼロクロッシングを検出しません。ソルバは、誤差許容値を満足させるためだけにそれらのステップサイズを調整します。
例題
つぎのコマンドは、MaxRows
と Refine
のパラメータに対して値を定義する、myopts
と呼ばれるオプション構造体を生成します。他のパラメータにはデフォルト値を使用します。
myopts = simset('MaxRows', 100, 'Refine', 2);
つぎのコマンドは、 vdp
model モデルを10秒間シミュレーションし、myopts
に定義されているパラメータを使用します。
[t,x,y] = sim('vdp', 10, myopts);
参考
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