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入力とパラメータのスカラ拡張
スカラ拡張 とは、スカラ値を同一要素のベクトルに変換することです。Simulinkは、ほとんどのブロックに対する入力またはパラメータにスカラ拡張を適用します。第9章 のブロックの記述には、Simulinkがブロックの入力およびパラメータにスカラ拡張を適用するかどうかを示しています。
入力のスカラ拡張
入力のスカラ拡張は、非スカラ入力または非スカラパラメータの大きさと一致させるためのスカラ入力の拡張を意味します。ブロックへの入力においてスカラ信号と非スカラ信号が混在する場合は、Simulinkはスカラ入力を非スカラ入力と同じ大きさをもつ非スカラ信号に拡張します。拡張された信号の要素は、信号が拡張されたスカラの値と等しくなります。
つぎのモデルでは、入力のスカラ拡張を説明します。このモデルは、スカラとベクトルの入力を加えます。Constant1ブロックからの入力は、Constantブロックからのベクトル入力のサイズと一致するようにスカラ拡張されます。入力はベクトル [3 3 3]
に拡張されます。
ブロックの出力がパラメータの関数で、パラメータが非スカラであるとき、Simulinkはパラメータの大きさと一致させるためスカラ入力を拡張します。たとえば、Simulinkは非スカラゲインパラメータの大きさと一致させるため、スカラ入力をGainブロックに拡張します。
パラメータのスカラ拡張
ブロックが非スカラ入力をもち、対応するパラメータがスカラである場合、Simulinkはスカラパラメータを入力と同じ要素数になるように拡張します。拡張されたパラメータの各要素は、オリジナルのスカラの値と等しくなります。Simulinkは、その後拡張されたパラメータの各要素を対応する入力要素に適用します。
つぎの例は、スカラパラメータ(Gain)がブロック入力のサイズと一致する、等しい値の要素からなるベクトル、すなわち3要素ベクトルに拡張されることを示します。
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