Real-Time Workshop User's Guide    

ディジタル信号処理に対するラピッドプロトタイピング

デジタル信号処理のラピッドプロトタイピングの最初のステップは、システム要求に関して、使うデータの種類と質を考え、それをシステム要求に関連付けることです。これは、入力信号のSN比、歪みや他の特徴を調べることと、それらをアルゴリズムと設計の選択に関連付けることを含みます。

システムのシミュレーションとアルゴリズム設計

ラピッドプロトタイピングでは、アルゴリズム開発でのブロック線図の役割は2つあります。ブロック線図は、ボトルネックになっている部分の識別法と、アルゴリズムまたはシステムアーキテクチャを最適化する方法を提供します。ブロック線図は、高水準システムの記述としても機能します。つまり、ブロック線図は、ある操作環境下でアルゴリズムの精度と挙動を評価するための階層的な枠組みを提供します。

externalモードを使った結果の解析、パラメータのチューニングおよび信号のモニタリング

アルゴリズム(またはアルゴリズムの原案)が作成された後で、つぎの段階はアーキテクチャと実現の問題を考えることです。その問題は、複雑度、速度、精度を含みます。従来の開発環境では、アルゴリズムを実行しCで再コーディングするか、ハードウエア設計とシミュレーションパッケージで再コーディングすることを意味します。

Simulinkのexternalモードを使って、信号処理アルゴリズムをターゲットハードウェア上でリアルタイムに実行している間に、対話的にパラメータを変更することができます。実行モジュールを構築し、ハードウェアにダウンロードした後で、Simulinkのブロックパラメータをチューニング(変更)します。Simulinkは、自動的に新しい値をハードウェアにダウンロードします。Scopeブロックと観察したい信号を接続するだけで、パラメータの変更の影響をモニタリングするうことができます。


 ラピッドプロトタイピングの主な特徴 制御システムに対するラピッドプロトタイピング