Real-Time Workshop User's Guide | ![]() ![]() |
ラピッドプロトタイピングの主な特徴
図 2-1は、ラピッドプロトタイピング開発プロセスと従来の開発プロセスを比較しています。
図 2-1: 従来の開発プロセスVSラピッドプロトタイピング開発プロセス
従来までのリアルタイム設計や実現の方法では、アルゴリズム設計チーム、ソフトウェア設計チーム、ハードウェア設計チーム、インプリメンテーションチームを含む多くの技術者から構成されるチームで行われていました。。アルゴリズム設計チームが仕様を完成したとき、ソフトウェア設計チームはシミュレーション環境でアルゴリズムを実現し、それからハードウェアに関する必要条件を設計します。ハードウェア設計チームは、それからハードウェア製品を作成します。最後にインプリメンテーションチームがハードウェアを全体のシステムに統合します。
アルゴリズム設計技術者が実際のハードウェアで作業を行わないので、この方法では開発プロセスが長くかかります。ラピッドプロトタイピングプロセスは、アルゴリズム、ソフトウェア、ハードウェアの設計フェーズを統合し、ボトルネックを削減します。このプロセスにより、高価なハードウェアを開発する前に技術者は結果を見て、設計を迅速に、繰り返し行うことができます。
ラピッドプロトタイピングの主要な機能は、自動プログラム生成です。自動プログラム生成は、アルゴリズム開発(コーディング、コンパイル、リンク、ターゲットハードウェアへのダウンロードを含む)を1つのプロセスの制御下で行います。自動プログラム生成により、設計の変更をブロック線図に対して直接行うことができます。
ラピッドプロトタイピングプロセスは、Simulinkでのモデル開発から始めます。制御エンジニアリングでは、プラントのダイナミクスやその他のコントローラやオブザーバを構成する動的なコンポーネントをモデル化します。ディジタル信号処理では、モデルはSN比のような入力信号の特性を調査します。
それから、Simulinkでモデルをシミュレーションします。アルゴリズムを開発し、結果を解析するためにMATLAB、Simulink、toolboxを使うことができます。満足する結果が得られない場合は、結果が得られるまでモデリングと解析のプロセスを繰り返すことができます。
希望する結果が得られれば、Real-Time Workshopを使用してモデルの適切な部分を実現するダウンロード可能なCコードを生成することができます。Simulinkをexternalモードで使って、希望する結果を得るために再度迅速に繰り返して、パラメータのチューニングやモデルの修正ができます。この段階で、ラピッドプロトタイピングプロセスが終了します。基本となるアルゴリズムが、リアルタイム製品システムで適切に機能するという信頼性のもとに製品を最終的に実現することができます。
つぎの図は、ラピッドプロトタイピングプロセスを詳しく示しています。
Real-Time WorkshopはMATLABおよびSimulinkと密接に統合されているので、生産性の高い開発サイクルが可能です。以下のパッケージは、ユーザのアプリケーションの設計に貢献しています。
![]() | 技術的な概要 | ディジタル信号処理に対するラピッドプロトタイピング | ![]() |