Real-Time Workshop User's Guide

デバイスドライバの作成

ターゲットハードウェアとの通信を行うデバイスドライバは、多くのリアルタイム開発プロジェクトに対して必須です。この節では、デバイスドライバをターゲットシステムに統合する方法を説明します。これは、Simulinkモデルや、そのモデルから生成されたコードへのドライバの組み込みを含みます。

デバイスドライバは、Simulinkのデバイスドライバブロックとして実現されます。デバイスドライバブロックは、ユーザ作成のドライバコードであるS-Functionブロックです。

デバイスドライバを実現するには、Simulink C MEX S-FunctionフォーマットおよびAPIについて習得していなければなりません。つぎのドキュメントは、C MEX S-Functionに関する情報を含んでいます。

• Writing S-Functionsは、インラインおよび非インラインS-Functionの作成方法や、マスクされたS-Functionからのパラメータのアクセス方法のようなS-Functionについて説明しています。Writing S-Functionsは、特殊なmdlRTW関数を使ってインラインS-Functionをパラメータ化する方法についても説明します。
• MATLABオンラインドキュメントの「External Interfaces」は、MEX APIによってMATLABと相互作用するCやその他のプログラムの作成方法を説明します。SimulinkのS-Function APIは、このAPIの先頭でビルドされます。MATLAB/Simulinkからデバイスドライバブロックにパラメータを渡すには、MEX APIを使う必要があります。MATLAB Application Program Interface Reference Guideには、必要なMATLABのmx*ルーチンのリファレンスの説明が含まれます。
• Target Language Compiler Reference Guide は、Target Language Compilerについて説明します。S-Functionをインラインするには、Target Language Compilerに関する知識が必要です。Target Language Compiler Reference Guide は、model.rtwファイルの構造も説明します。
• Using Simulinkの"Using Masks to Customize Blocks"は、S-Functionに対するマスクの作成方法を説明します。

注意    デバイスドライバブロックは、M-ファイルS-Functionではなく、C MEX S-Functionとして実現されなければなりません。C MEX S-Functionは、M-ファイル S-Functionで利用可能な機能のサブセットに限定されます。詳しくは、「デバイスドライバブロックの制限」を参照してください。

この節では、つぎのトピックスを説明します。

• インラインおよび非インラインデバイスドライバ
• デバイスドライバの一般的な必要条件と制限
• ダイアログボックスからのS-Functionパラメータ値の取得
• 非インラインデバイスドライバの作成
• インラインデバイスドライバの作成
• デバイスドライバMEX-ファイルのビルド

テンプレートMakeファイル

インラインおよび非インラインドライバ