設計ケーススタディ    

根軌跡法による設計

最も簡単な補償器は静的ゲインなので、まず根軌跡法を用いて適切なゲインの値を決定します。

これは、負のフィードバックに対する根軌跡で、システムがほぼ瞬間的に不安定になることを示しています。その代わりに、正のフィードバックを用いるとシステムの安定性を維持することができます。

このほうが、良いように思われます。単純なフィードバックを用いるだけで、の減衰率を達成することができます。グラフ上で、いくつかの極の位置を選択し、rlocfindで対応するゲインを決定することができます。

上図の'+'マークは、選択可能な状態を示しています。対応するゲインと閉ループの極は、つぎのとおりです。

つぎに、この設計を解析できるように閉ループシステムを構成します。

閉ループ極は、上で選択した極と一致しなければなりません(実際一致します)。

20秒間だけ閉ループのインパルス応答をプロットします。

その応答は、直ちに安定になり、あまり振動しません。

ここで、最初のモデルのループを閉じて、補助翼からの応答がどのようになるかを確認します。フィードバックループには、プラントの入力1と出力1が含まれています(この入力/出力ペアを選択するインデックスベクトルを入力引数として、feedbackを使用します)。MATLABで、つぎのように入力します。

MATLABは、つぎの出力を行います。

MIMO インパルス応答をプロットします。

補助翼(入力2)からバンク角(出力2)への応答を見てください。補助翼をインパスル的に操作しても、制御をしていない通常の飛行機とは異なり、バンク角が元に戻っています。これは、スパイラルモードを過度に安定化したことになります。通常は、スパイラルモードは非常に遅いので、補助翼を操作し続けなくても、機体を傾けながら旋回を行うことができます。パイロットは、このような操作に慣れているので、このような操作ができないスパイラルモードを過度に安定化したこの設計は好みません。そこで、スパイラルモードを高周波数側に移動することにします。


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