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ネットワークサーバからMATLABを実行する場合、MATLAB ツールボックスパスキャッシュを使うと、起動時間を大きく削減することができます。ツールボックスパスキャッシュは、MATLABルートディレクトリの下にあるツールボックスディレクトリのパス情報を全て格納します。起動時に、リモートファイルシステムから読むのではなく、MATLABは、キャッシュから情報を読み込みます。
ツールボックスパスキャッシュは、ユーザのMATLABセッションの起動中のみ使用できます。ツールボックスディレクトリの多くを含むようにユーザのMATLABパスを定義している場合、特に、この機能は有用な機能となります。リモートファイルシステムからディレクトリをスキャンし、パス情報を全て取得するには、かなりの時間を要します。しかし、この情報を前もって作成されたキャッシュから読み込めば、パス情報の取得に要する時間は、飛躍的に短くなります。これに対し、短いツールボックスパスを使っている場合、キャッシュを使うメリットは小さくなりますが、依然として時間の短縮効果は得られます。
ユーザのファイルがリモートシステムから供給されない、ローカルディスク上でMATLABを実行している場合、キャッシュを使っても起動時間はほとんど短縮されません。この場合、ツールボックスパスキャッシュは無効にしておいてください。
ツールボックスパスキャッシュの設定を選択
MATLABの設定(Preferences) ウィンドウからツールボックスパスキャッシュを作成し、有効にすることができます。
このチェックボックスだけをチェックして、Enable toolbox cache diagnosticsを選択しなかった場合、MATLAB は起動中に、どのような操作をしているかについての簡単な表示を行います。MATLABがツールボックスディレクトリを、いつキャッシュからロードしているかを、これによって知ることができます。また、ツールボックスパスキャッシュが見つからない場合、MATLABは警告表示を行います。
ツールボックスパスキャッシュの作成
ツールボックスパスキャッシュは、MATLABファイルを供給するシステムのtoolbox/local
ディレクトリに位置するMAT-ファイルに格納されています。このシステムに、最初にMATLABをインストールした場合、ユーザ、または、ユーザのシステム管理者がキャッシュを作成する必要があります(MATLABは、前もって設定したキャッシュを用意していません)。ツールボックスディレクトリが追加された場合、または、削除された場合、常にキャッシュファイルを再び作成し直さなければなりません。作成し直さない場合、キャッシュには古いパス情報が保存されてしまうことになります。
最初に、ツールボックスパスキャッシュを作成するとき、または、しばらくして、ツールボックスパスキャッシュを再び作成しなおす場合、前の節で記述した一般的な設定(General Preferences)パン のツールボックスキャッシュ(Toolbox caching) 節から、ツールボックスキャッシュ(Toolbox Cache) ボタンをクリックしてください。この操作を行うには、toolbox/local
ディレクトリに書き込みアクセスをしなければならない点に注意してください。
ユーザがIDEデスクトップをもたないプラットフォームで実行している場合、MATLABプロンプトで、つぎのコマンドを実行すれば同様の結果を得ることができます。
rehash toolboxcache
キャッシュを有効にします
MATLABが最初にインストールされた時点では、ツールボックスパスキャッシュ機能は無効になっています。分散型ファイルシステム上でキャッシュを有効にするには、つぎのように操作してください。
分散型でないシステム上では、システムユーザが上記の操作を2つとも行うことができます。
ツールボックスパスキャッシングを有効にするには、ツールボックスパスキャッシュの設定を選択を参照してください。
ツールボックスパスキャッシュ機能を無効にするには、ユーザベースで行う方法と、グローバルベースで行う方法の2つの方法があります。ユーザベースで無効にするには、設定(Preferences)ダイアログボックスのツールボックスキャッシュの使用可(Enable toolbox cache) のチェックボックスを外してください。グローバルベースで無効にするには、toolbox/local
ディレクトリからtoolbox_cache.mat
を削除してください。
キャッシュを更新
ツールボックスディレクトリを変更すると、ツールボックスパスキャッシュファイルの内容は時代遅れのものとなってしまいます。この理由のために、ユーザは、キャッシュを更新する必要があるという内容の警告表示を見る場合があります。この節では、いつユーザのツールボックスパスキャッシュを更新する必要があるのか、そして、時代遅れのキャッシュファイルによって引き起こされる問題を回避するには、どうすれば良いのかについて解説します。
製品のインストール、または、アップデートに伴いキャッシュを更新 新しいツールボックスをインストールしたり、MathWorksからのアップデートファイルをインストールすると、ツールボックスパスキャッシュに格納されている情報は、もはや、ユーザのツールボックスディレクトリを正確に反映したものではなくなってしまいます。そのため、インストールをしている最中に、MATLABインストーラは、キャッシュの内容が無効であると認識します。
ユーザのキャッシュが無効であると認識されると、MATLABは起動中にキャッシュの使用を中止し、ファイルシステムを使って、ディレクトリにアクセスすることによってパス情報を収集します。MATLABは起動時に、ユーザのツールボックスパスキャッシュの内容が時代遅れのものであるため、パスキャッシュを参照せずに、起動操作を行っている、いう内容の警告メッセージを表示します。キャッシュの使用をもう1度有効にするには、前述の方法(ツールボックスパスキャッシュの作成)でキャッシュを再び作成し直す必要があります。
ツールボックスディレクトリの変更に伴いキャッシュの更新 (たとえば、ファイルを追加、削除しますといった操作で)MATLABツールボックスディレクトリを変更すると、ツールボックスパスキャッシュファイルに格納されたパス情報は現状を反映しない内容になってしまいます。ここで、ユーザが、つぎにMATLABセッションを起動すると、キャッシュに格納された古いパス情報がメモリーにロードされてしまいます。この時にも、MATLABは警告メッセージを表示します。
ツールボックスパスに影響を与える変更を行う場合、前述の方法(ツールボックスパスキャッシュの作成)でキャッシュファイルを再び作成しなおさなくてはなりません。
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