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行列のベキと指数
この節は、つぎの行列のベキと指数をMATLABの中で計算する方法を説明します。
正の整数のベキ
Aが正方行列で、pが正の整数ならば、A^pは、A自身をp回乗算します。
X = A^2
X =
3 6 10
6 14 25
10 25 46
逆数と分数のベキ乗
Aが正方行列で、非正則ならば、A^(-p)は、inv(A)をp回乗算します。
Y = B^(-3)
Y =
0.0053 -0.0068 0.0018
-0.0034 0.0001 0.0036
-0.0016 0.0070 -0.0051
A^(2/3)のような分数のべき乗もまた可能です。結果は、行列の固有値の分布に依存します。
要素単位のベキ乗
X = A.^2
A =
1 1 1
1 4 9
1 9 36
指数
sqrtm(A)
は、より正確なアルゴリズムを使って、A^(1/2)を計算します。sqrtmの mは、要素単位に機能するA.^(1/2)のようなsqrt(A)と区別する関数です。
線形、定数係数、常微分方程式システムは、つぎにように表現されます。
ここで、x = x(t)はtの関数ベクトルで、Aはtに独立な行列です。解は、行列指数として表現されます。
expm(A)
は、行列指数を計算します。つぎの3行3列の係数行列を考えます。
A =
0 -6 -1
6 2 -16
-5 20 -10
x0 =
1
1
1
行列指数は、0
t
1 の範囲で、101点で微分方程式の解x(t)を計算するために使います。
X = []; for t = 0:.01:1 X = [X expm(t*A)*x0]; end
plot3(X(1,:),X(2,:),X(3,:),'-o')
これは、解が原点に向かって螺旋状になることを示しています。この挙動は、つぎの節で述べる係数行列の固有値に関連しています。

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