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行列のベキと指数

この節は、つぎの行列のベキと指数をMATLABの中で計算する方法を説明します。

正の整数のベキ

Aが正方行列で、pが正の整数ならば、A^pは、A自身をp回乗算します。

逆数と分数のベキ乗

Aが正方行列で、非正則ならば、A^(-p)は、inv(A)p回乗算します。

A^(2/3)のような分数のべき乗もまた可能です。結果は、行列の固有値の分布に依存します。

要素単位のベキ乗

要素単位のべき乗は、.^で実行されます。例えば、

指数

関数

は、より正確なアルゴリズムを使って、A^(1/2)を計算します。sqrtmの mは、要素単位に機能するA.^(1/2)のようなsqrt(A)と区別する関数です。

線形、定数係数、常微分方程式システムは、つぎにように表現されます。

ここで、x = x(t)tの関数ベクトルで、Atに独立な行列です。解は、行列指数として表現されます。

関数

は、行列指数を計算します。つぎの3行3列の係数行列を考えます。

そして、初期条件x(0)をつぎのように考えます。

行列指数は、0 t 1 の範囲で、101点で微分方程式の解x(t)を計算するために使います。

3次元位相空間プロットが得られます。

これは、解が原点に向かって螺旋状になることを示しています。この挙動は、つぎの節で述べる係数行列の固有値に関連しています。


 QR 因子分解 固有値