Real-Time Workshop Release Notes    

旧リリースからのアップグレード

本節では、Real-Time Workshop 4.0 (Release 12.0) からReal-Time Workshop 4.1 への移行に関するアップグレードの問題を説明します。

4.0 より以前のリリースからのアップグレードに関する情報は、Upgrading from an Earlier Releaseを参照してください。

RTWInfoプロパティの変更

Simulink Data ObjectクラスSimulink.SignalあるいはSimulink.Parameterを利用するか、またはこれらから得られるクラスをインプリメントしている場合は、RTWInfoプロパティに関するつぎの情報に注意してください。

Release 12.0 では、RTWInfoクラスは、signal portおよびパラメータのRTW storage type qualifierフィールドに対応するTypeQualifierプロパティをもちました。

Real-Time Workshop 4.1 は、TypeQualifierプロパティを必要としないカスタムストレージクラスの作成をサポートします。タイプの証明が必要なときな、カスタムストレージクラスをお使いになることを推奨します。

デフォルトで、RTWInfoオブジェクトのTypeQualifierプロパティは、Simulink Data Explorerでは不可視です。また、TypeQualifierプロパティは、model.rtwファイルのObjectPropertiesレコードに書き出されません。下位互換性のため、TypeQualifierプロパティは、アクティブのままです。プロパティは、直接参照を使って設定、取得することができます。たとえば、つぎのようにします。

または

MATLABセッションの継続中に、Simulink Data ExplorerのTypeQualifierプロパティを可視化することができます。そのためには、つぎのコマンドをSimulink Data Explorerをオープンする前に実行します

上記のコマンドにより、Real-Time Workshopは、model.rtwファイルのObjectPropertiesレコードのTypeQualifierプロパティをインクルードします。

詳細は、Real-Time Workshop User's GuideSimulink Data Objects and Code Generationを参照してください。

S-Function Target MEX-Filesが再ビルドしなければなりません

Release 11においてS-functionターゲットによって生成されたS-function MEX-filesは、Release 12 と互換ではありません。この非互換性は、パラメータのpoolingのようなRelease 12.0 で新規導入された機能によるものです。

Release 11でS-functionターゲットを利用してビルドしたS-function MEX-filesがある場合は、それらを再ビルドしなければなりません。詳細は、Real-Time Workshop User's Guide The S-Function Targetを参照してください。

TLC の互換性の問題

model.rtwファイルフォーマットの変更

model.rtwファイルのフォーマットは変更されています。詳細は、Target Language Compiler Reference Guidemodel.rtw Changes Between Real-Time Workshop 4.0 and 4.1を参照してください。

BlockTypeSetupとBlockInstanceSetup呼び出しの並べ替え

コード生成の初期化フェーズで、Target Language Compilerは、モデル内のすべてのブロックのパスを作成し、つぎの関数を実行します。

関数BlockInstanceSetupは、関数BlockTypeSetupによって初期化されるグローバル変数に依存するので、これらの呼び出しの順番は、意味があります。

Release 12.1では、関数BlockTypeSetupは、BlockInstanceSetupの前に呼び出されます。これは、BlockInstanceSetupが誤って最初に呼び出されていた旧リリースでの問題を修正しています。S-functionsあるいはブロックのインプリメンテーションが従来の挙動に依存する場合は、変更する必要があります。

廃止されたコード生成変数

コード生成変数FunctionInlineTypeおよびPragmaInlineStringは、廃止されています。これらの変数は、インライン関数の生成を制御していました。現在のリリースでは、Real-Time Workshop User's GuideNonvirtual Subsystem Code Generationに記述したように、サブシステムからインライン関数を生成することができます。


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