Real-Time Workshop User's Guide

S-Functionターゲット

はじめに

S-Funcionターゲットを使って、S-Functionコンポーネントをビルドし、他のモデル内でS-Functionブロックとして使うことができます。S-Functionターゲットで利用するS-Functionコードフォーマットは、Simulink C MEX S-Functionアプリケーションプログラミングインタフェース(API)と一致するコードを生成します。このフォーマットのアプリケーションには以下が含まれます。

• モデルからコンポーネントへの変換。モデルm1に対するS-Functionブロックを生成することができます。それから別のモデルm2に生成したS-Functionブロックを置くことができます。m2で使用するコードは、m1に対するコードを再生成する必要はありません。
• サブシステムからコンポーネントへの変換。サブシステムを別のモデルに抽出し、そのモデルからS-Functionブロックを生成することにより、サブシステムから再利用可能なコンポーネントを作成できます。この手順の例は、「サブシステムからS-Functionブロックを作成」を参照してください。
• シミュレーションの高速化。多くの場合、モデルから生成されたS-Functionは、オリジナルモデルよりも効率良く実行されます。
• コードの再利用。あるモデルを複数個、各モデルのコードを複製することなく他のモデルに組み込むことが可能です。各モデルは、自身のユニークなデータを保持し続けます。

S-Functionターゲットは、非インラインS-Functionを生成します。一般的リアルタイムまたはリアルタイムmallocターゲットを使うことにより、生成されたS-Functionを含むモデルから実行ファイルを生成できます。組み込みリアルタイム(ERT)ターゲットは、インラインS-Functionを必要とするので、利用できません。

生成したS-Functionブロックは、他のS-Functionフォーマットが生成可能な別のモデルに置くことができます。これにより、任意のレベルのS-Functionの入れ子が可能になります。

S-Functionコードフォーマットに対するサンプル時間の伝播は、他のコードフォーマットとはわずかに異なります。生成されたS-Functionブロックは、オリジナルモデルのブロックがそれらのサンプル時間を指定しない場合は、そのブロックが置かれるモデルからサンプル時間を継承します。

ERTシステムターゲットファイルとテンプレートMakeファイル

知的財産の保護