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バイアスと正規化

推定において、その期待値が推定した量と等しくなければ、バイアスが存在すると言います。xcorrの出力の期待値は、つぎのようになります。

xcorrでは、入力引数列の最後に、'unbiased'フラグを設定すると、N-|m|で除算したバイアスのない推定値が得られます。

この推定値は、バイアスがありませんが、両端の点( -(N-1)とN-1の近傍)の分散は大きくなります。それは、xcorrが、ほんのわずかのデータ点を用いて、それらを計算するためです。可能なトレードオフは、'biased'フラグを用いてNで除算するだけです。

この方法を用いると、0遅れ(N番目の出力要素)での相関のサンプルのみバイアスがなくなります。この推定は、相関列の両端でランダムで大きな分散を回避するので、バイアスのない推定値より望ましいことがよくあります。

xcorrには、もう1つの正規化方式があります。構文

は、出力をnorm(x)*norm(y)で除算するものです。自己相関の場合、遅れ0で値が1になるようにします。


 統計的な信号処理 マルチチャンネル