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フィルタ仕様パネル(Filter Specification Panel)-極/零点エディタ(Pole/Zero Editor)

極/零点エディタ(Pole/Zero Editor)を使って新しいフィルタを設計する場合、フィルタデザイナ(Filter Designer)は、デフォルトの次数22のフィルタに対する極と零点を、まず表示します。

ディジタルフィルタの伝達関数の一般的な極-零点(因子分解)型は、つぎのように表現されます。

ここで、z1, z2, ..., zmはフィルタの零点、p1, p2, ..., pnはフィルタの極、kは伝達関数全体のゲインです。零点の数と極の数は必ずしも一致する必要はありません。

仕様設定(Specifications)パネルの中のコントロールを使って、極座標または直交座標を使って、個々の極や零点の位置やゲインを数値的に調整できます。

ゲイン(Gain)エディットボックスの中の値は、ゲインkです。座標系(Coordinates)リストを使って、極座標での測定値または直交座標系での測定値のいずれかにすることができます。極座標系(Polar)を選択した場合、カレントに選択した極または零点の座標を、大きさ(Mag)エディットボックスと角度(Angle)エディットボックスに値を入力して設定することができます。選択した極または零点の位置は、つぎのように表せます。

ここで、Mは、大きさ(Mag)で設定される大きさで、角度(Angle)で設定されるラジアン単位の角度です。

直交系(Rectangular)を選択すると、カレントに選択した極または零点の座標を、Xエディットボックス、Yエディットボックスに値を入力することで設定できます。選択した極または零点の位置は、つぎのように表せます。

複素共役(Conjugate pair)チェックボックスは、カレントの選択が極または零点の複素共役の組か、単独のものかをコントロールします。単独の極または零点が極-零点図上で選択された場合、複素共役(Conjugate pair)チェックボックスはアクティブにはなりません。複素共役(Conjugate pair)チェックボックスをチェックして使用可能にすると、新しい共役な極または零点が完全な型の組として表れます。

極または零点の共役組がプロット上で選択される場合、複素共役(Conjugate pair)チェックボックスはアクティブになります。それをクリックして、複素共役(Conjugate pair)チェックボックスをアクティブでない状態にすると、共役な組は解除され、お互いに独立な2つのものとして、同じ位置に極または零点を表示し、これらのどちらか一つのみを選択できます。

複素共役(Conjugate pair)チェックボックスが選択されている場合、座標を設定することで、位置

または

を使って、カレントに選択された複素共役組の位置をコントロールします。



フィルタ測定パネル(Filter Measurements Panel)-極/零点エディタ(Pole/Zero Editor)

フィルタを設計する場合、測定(Measurements)パネル(左の図を参照)設計されるフィルタの有効な情報を表示します。パネルには、常に、零点の数や極の数(フィルタの次数で大きいほう)、フィルタが安定化、不安定化(単位円の外に位置する極)のいずれかを示します。

パネルは、フィルタの位相特性も表示します。mが零点の数を表す場合、4つの可能な位相状態が存在します。

測定(Measurements)パネルが、上の状態のいずれにも対応していない場合、零点は単位円の内側と外側の両方に位置していることを示します。

新しい極または零点がプロット上に(2-150ページ極の付加(Add Poles)または零点の付加(Add Zeros)ツールを使って)位置させた場合、測定(Measurements)パネルは付加的な位置に関する情報を示します。極の付加(Add Poles)または零点の付加(Add Zeros)のいずれかのボタンを押した後、そして、新しい極または零点を配置するプロット上をクリックする前に、プロット領域上のポインタの正確な位置を測定(Measurements)は表示します。

測定(Measurements)パネルのすべての値は、極または零点が再度配置される度に連続的に更新されます。


 フィルタデザイナメニューとボタン ゲインプロット(表示)領域-設計法