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filtic

転置直接II型のフィルタに対する初期条件の設定

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z = filtic(b,a,y,x) は、過去の出力yと入力xが与えられた場合、転置直接II型フィルタ実現における遅れに対する初期条件zを求めます。ベクトルbaは、フィルタの伝達関数の分子係数と分母係数をそれぞれ表します。

ベクトルxyには、最も新しい入力または出力が最初に含まれ、最も古い入力または出力が最後に含まれます。

ここで、nbは(length(b)-1)(分子の次数)であり、naは(length(a)-1)(分母の次数)です。length(x)nb未満の場合、filticは、それにゼロを付加して長さnbにします。length(y)na未満の場合、filticはそれにゼロを付加して長さnaにします。x(nb-1)を越えるxの要素とx(na-1)を越えるyの要素は必要でないため、filticは、これらを無視します。

出力z は、nbnaとの大きいほうの値と等しい長さの列ベクトルです。z は、過去の入力xと過去の出力yが与えられた場合、遅れの状態を表します。

z = filtic(b,a,y) は、入力xが過去において0であると仮定しています。

転置直接II型構造は、つぎのように表されます。

ここで、(n-1)は、フィルタの次数です。

filticは、実数入力と複素数入力のいずれに対しても機能します。

アルゴリズム

filticは、逆方向の差分方程式を作成して遅れ状態zを求めます。

診断

入力引数yxb、またはaのいずれかがベクトルでない場合(すなわち、いずれかの引数がスカラまたは配列の場合)、filticは、つぎのエラーメッセージを表示します。

参考
filter
巡回型(IIR)または非巡回型(FIR)フィルタによるデータのフィルタリング
filtfilt
ゼロ位相ディジタルフィルタリング

参考文献

[1] Oppenheim, A.V., and R.W. Schafer, Discrete-Time Signal Processing, Prentice-Hall, 1989, pp. 296, 301-302.


 filtfilt fir1