Real-Time Workshop User's Guide    

サンプルレートの遷移

モデル内では2つのサンプルレートの遷移が可能です。

シングルタスクシステムでは、マルチサンプルレートに関する問題はありません。しかし、マルチタスクシステムと擬似マルチタスクシステムでは、サンプルレートが異なるので問題が生じます。計算データの誤差を防ぐためには、これらの遷移でのモデルの実行を制御しなければなりません。速いブロックから遅いブロックへの遷移では、遷移間にZero-Order Holdブロックを追加し、Zero-Order Holdのサンプルレートを遅いブロックのサンプルレートに設定しなければなりません。

図 7-6: 速いブロックから遅いブロックへの遷移(T = サンプル間隔)

遅いブロックから速いブロックへの遷移では、遷移間にUnit Delayブロックを追加し、Unit Delayのサンプルレートを遅いブロックのサンプルレートに設定しなければなりません。

図 7-7: 遅いブロックから速いブロックへの遷移(T =サンプル間隔)

つぎの4つの節では、サンプル時間の遷移にUnit Delay と Zero-Order Holdブロックが必要な理由とその理論を説明します。


 リアルタイムでのモデルの実行 Simulinkでの速いブロックから遅いブロックへの遷移