Real-Time Workshop User's Guide    


用語集


アプリケーションモジュール - Real-Time Workshopのプログラムアーキテクチャに関して、システム従属成分、システム独立成分、アプリケーション成分で実行される関数を実現するプログラム。

ブロックターゲットファイル - Real-Time Workshopファイル(model.rtw)のブロックの記述を基に、特定のSimulinkブロックがCのような言語に変換される方法を記述したファイル。Simulinkブロック毎に1つのブロックターゲットファイルがあります。

ファイルの拡張子 - Simulink, Target Language Compiler, Real-Time Workshopのファイルの拡張子を以下の表に示します。

拡張子
作成元
説明
.c
Target Language Compiler
生成されたCコード
.h
Target Language Compiler
.cプログラムで使用するCインクルードヘッダファイル
.mdl
Simulink
Simulinkブロック線図に関連する構造を含む
.mk
Real-Time Workshop
テンプレートmakeファイルから得られるモデル固有のmakeファイル
.rtw
Real-Time Workshop
Cコード生成前に.mdlから変換された中間ファイル
.tlc
Target Language Compiler
Real-Time Workshopの変換用のスクリプトファイル
.tmf
Supplied with Real-Time Workshop
テンプレートmakeファイル

一般のリアルタイム(GRT)ターゲット- リアルタイムシステムに対してモデルコードが生成され、そのコードがワークステーション上でシミュレーションされるターゲット構成(実行はリアルタイムクロックに束縛されません)。カスタムハードウェアをターゲットとする際の出発点として使うことができます。

ホストシステム - リアルタイムアプリケーションが作成されるコンピュータシステム。

インライン - 一般に、生成されたソースコード内に直接配置することです。Real-Time Workshopを使って、パラメータとS-Functionをインラインできます。

インラインパラメータ (Target Language Compiler ブーリアングローバル変数: InlineParameters) - ブロックパラメータの数値は、生成コード内にハードコードされます。実行が速く、メモリ使用量が少ない利点がありますが、実行時にブロックパラメータ値を変更できません。

インラインS-Function - S-Functionは、.tlcファイルとして実現することで、生成コード内にインラインされます。S-Functionのコードは、生成されたモデルコード自身に置かれます。反対に、非インラインS-Functionは外部のMEX-ファイルにあるS-Functionのファンクションコールが必要です。

割り込みサービスルーチン(ISR) - タイマのような外部イベントが生じたときにプロセッサが実行するコード。

ループローリング (Target Language Compilerグローバル変数: RollThreshold) - ブロックの挙動と入出力ポート幅によって、生成コードは、ブロック幅分だけコード(フラットコード)の同じ行を繰り返す代わりに、forステートメント(rolledコード)を使います。

Make - 関連するプログラムとファイルを位置、更新、再作成するユーティリティ。実行されるコマンドは、amkeファイルに設定されます。

Makeファイル - プログラム、オブジェクトファイル、ライブラリ等を相互に関連付けるコマンドを含むファイル。Makeファイルは、開発システムのmakeユーティリティにより実行されます。

マルチタスク - マイクロプロセッサによって複数のタスクの扱いをスケジューリングするプロセス。タスク数は、モデル内のサンプル時間の数と同じです。

非インラインS-Function - Real-Time Workshopで、カスタマイズされた.tlcファイルを使って実現されないC MEX S-Function。Simulinkモデルの部分としてC MEX S-Functionを作成する場合は、インライン化を行う.tlcファイルを作成しなければ、デフォルトで非インラインです。

非リアルタイム - モデルの高速シミュレーションのための、ブロック線図のシミュレーション環境。実行は、リアルタイムクロックに束縛されません。

非仮想ブロック - Gainブロックのようなアルゴリズムを実行するブロック。

擬似マルチタスク - マルチタスクのサポートをしないプロセッサでは、固定タイムシェアリングに基づきイベントをスケジューリングして擬似マルチタスクを行います。

リアルタイムシステム - ディジタル信号処理や制御のアプリケーションのような、アルゴリズムを実現するハードウェアを使うシステム。

ランタイムインタフェース - スタンドアロン実行ファイルをビルドする生成コード回り。ランタイムインタフェースは、時間を進めたり、適切な時間ステップでロギングされた変数を保存したりするルーチンで構成されます。ランタイムインタフェースは、Simulinkブロック線図から作成されるリアルタイムプログラムの実行を管理します。

S-Function - CまたはMコードで書かれたカスタマイズされたSimulinkブロック。S-Functionは、Real-Time Workshopではインライン化されます。

シングルタスク - 1つのタスク内で1つのモデルが実行されるモード。

システムターゲットファイル - Real-Time Workshopファイルをターゲット固有のコードに変換するためのTarget Language Compilerプログラムのエントリポイント。

Target Language Compiler - システムターゲットファイルをコンパイルし実行するコンパイラ。

ターゲットファイル - Target Language Compilerによりコンパイルされ実行されるファイル。これらのファイルの組合せは、Real-Time Workshopファイル(model.rtw)からターゲット固有のコードへの変換方法を記述します。

ターゲットシステム - リアルタイムアプリケーションを実行するコンピュータシステム。

ターゲッティング - ターゲットシステムに対して、実行ファイルを作成するプロセス。

テンプレートMakeファイル - makeユーティリティで使用されるmakeファイル。テンプレートmakeファイルは、モデルの構成を記述するトークンを置き換えて、テンプレートmakeファイル(通常はsystem.tmf)の内容をmakeファイル(通常は system.mk)にコピーすることで、makeファイルに変換されます。

Target Language Compilerプログラム - model.rtwから生成コードへの変換方法を記述したTLCファイル。

タスク識別子 (tid) - モデル内の各サンプル時間は、タスク識別子(tid)を割り当てられます。tidは、モデルの出力に渡され、与えられた時間でモデルのどの部分が実行されるかを決定するルーチンを更新します。

仮想ブロック - Muxブロックのような接続、またはグラフィックブロック。


絶対時間に依存するブロック