Real-Time Workshop User's Guide

Rate Transitionブロック

VxWorks Rate Transitionブロックは、double-bufferingが必要でないときに、非同期ファンクションコールサブシステムに接続されるブロックに対するサンプル時間を提供します。 I/OをAsynchronous Bufferブロックに接続する3つのオプションがあります。

• Rate Transitionブロック、またはサンプル時間を設定する必要があるブロックを、非同期ファンクションコールサブシステムの出力で利用します。これにより、利用しない場合はファンクションコールサブシステムから継承する、上流または下流のブロックが指定したサンプル時間を利用します。信号の幅が1より大きい場合は、データの一貫性は保証されません。これは問題となる場合があります。つぎのオプションを参照してください。

Rate Transitionブロックは、システムの遅れをサポートしません。下流のブロックのサンプル時間を指定するだけです。このブロックは、一般的にdouble bufferingを必要としないスカラ信号に対して利用されます。

• Asynchronous Bufferブロックの組を利用します。これは、利用しない場合はファンクションコールサブシステムから継承する、上流または下流のブロックのサンプル時間を設定するだけでなく、信号上でのデータの一貫性を保証します。データの一貫性に関する詳しい情報は、Asynchronous Bufferブロックを参照してください。
• 3番目のオプションは、ブロックにサンプル時間を継承させることです。継承されたサンプル時間は、SimulinkのFormatメニューのSample time colorsオプションをonにすることで表示できます。必要なサンプル時間が得られた場合は、さらなるアクションは必要ありません。

Rate Transitionブロックパラメータ

下図は、VxWorks Rate Transitionブロックのダイアログボックスを示します。

Sample timeパラメータは、サンプル時間に希望するレートを設定します。

Rate Transitionブロックの例

下図は、ISRでのRate Transitionブロックの例を示します。

この例題では、ファンクションコールサブシステムの入力におけるRate Transitionブロックは、InおよびGain1ブロックを0.1秒のレートで実行します。ファンクションコールサブシステムの出力におけるRate Transitionブロックは、Gain2およびOutブロックを0.2秒のレートで実行します。このしくみを使って、ISRでのサンプル時間の設定に厳密に忠実であることを保証します。

Asynchronous Bufferブロック

カスタマイズしたAsynchronousライブラリの作成