Control System Toolbox関数リファレンス    
modred

モデルの低次元化

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modred は、連続系または離散系状態空間モデルsysの低次元化を行ないます。この関数は、通常、balrealと共に使用します。2つの低次元化法を使用することができます。

状態空間モデルsysbalrealで平衡化され、グラミアンが個の小さな対角要素をもつ場合、modredで最後から個の状態量を削除することにより、モデル次数を低減することができます。

例題

つぎの4次の連続系モデルを考えます。

低次元化するために、まず、balrealを使って、平衡化された状態空間実現を計算します。

MATLABは、つぎの出力を行います。

平衡化されたグラミアンの最後から3つの対角要素は小さいので、DCゲインを変化させない方法と直接削除方法共に使って、modredで最後の3つの状態を削除します。

hmdchdelは、いずれも1次モデルです。それらのBode応答をオリジナルのモデルのBode応答と比較します。

低次元化されたモデルhdelは、明らかに、より適切なの周波数領域近似になっています。つぎに、Step応答を比較します。

hdelは、過渡的挙動を正確に反映しますが、真の定常状態応答を反映するのはhmdcのみです。

アルゴリズム

DCゲインを変化させない方法のアルゴリズムは、つぎのとおりです。連続系モデル

に対して、状態ベクトルは残されるものと削除されるものに分けられます。

つぎに、の導関数をゼロに設定し、結果として得られる方程式をについて解きます。低次元化されたモデルは、以下によって与えられます。

離散系の場合、つぎのように設定することにより同様に扱います。

制限

DCゲインを変化させない方法の場合、は連続系で正則でなければならず、は離散系で正則でなければなりません。

参考
balreal     状態空間モデルの入/出力の平衡化

minreal     最小状態空間実現


 minreal ndims