可視化手法    

表示軸の回転

背景の方向は、上向きに定義された方向を指定することにより変更することができます。デフォルトでは、MATLABは2次元表示ではy 軸をup と定義し(CameraUpVector[0 1 0])、3次元表示ではz 軸をupと定義します(CameraUpVector[0 0 1])。ただし、ユーザはupを任意の方向に指定することができます。

CameraUpVector プロパティが定義するベクトルは、カメラの座標系の1つの軸を形成します。内部的にMATLABは、指定したベクトルをカメラ方向(すなわち、表示軸)と垂直な面に投影することによって、カメラの上向きベクトルの実際の方向を決定します。これによって、CameraUpVector プロパティがこの平面にある必要はないので、その指定が簡単になります。

多くの場合で、x 軸、y 軸、z 軸に関する角度で希望する上向きベクトルを視覚化することが便利な場合があります。このとき、方向余弦 を使って角度をベクトル要素へ変換することができます。単位ベクトルの場合、式はつぎのように単純化されます。

ここで、角度 , , を度で指定します。

(方向余弦の詳細については、ベクトル解析に関する数学の文献を参照してください。)

例題 - カメラの上向きベクトルの計算

z 軸と30°の角度をもち、y-z 平面上にある上向きベクトルを指定するには、つぎの式を使用します。

upvec = [cos(90*(pi/180)),cos(60*(pi/180)),cos(30*(pi/180))];

また、つぎのように CameraUpVector プロパティを設定します。

この方向をもつ球面を描画すると、つぎのようになります。


 グラフィックスオブジェクトのサイズ変更を行わない回転 投影タイプ