Simulink Release Notes | ![]() ![]() |
新機能
注意 Simulink 5.0 は、Release 12.1 がリリースされ、Release 13. よりも前に、webダウンロード可能な形式でリリースされたSimulink 4.1.1 で導入された変更点を組み込んでいます。これらのRelease Notesは、Version 4.1.1 の後に導入された変更点と共に、これらの変更点を記述しています。 |
Release 12.1 より以前のリリースからアップグレードする場合は、New Featuresを参照してください。
Simulink 5.0 は、以下の領域の機能強化が含まれます。
ブロックの機能強化
Simulink 5.0 は、以下のブロック関連の機能が強化されています。
Fixed-Pointブロックライブラリ
Simulinkは、Fixed-Point Blocksetの最新バージョン(4.0)を含みます。ライブラリは、従来は別個にインストールされたオプションとしてのみ利用可能でした。fixed-pointモードでfixed-pointブロックを含むモデルを実行するには、Fixed-Point Blocksetのライセンスがなければなりません。しかしながら、Fixed-Point Blocksetのライセンスの有無にかかわらず、floating-pointモードのモデルをオープン、編集、実行することができます。この変更により、グループ内の全ユーザがFixed-Point Blocksetライセンスをもっていなくても、fixed-pointブロックを含むモデルを実行あるいは修正できるように、大規模な組織内でfixed-pointモデルの共有ができます。Fixed-Point Blocksetのライセンスをもたないときに、fixed-pointブロックを含むモデルを実行する方法に関する情報は、Fixed-Point Blockset release notesのInstallation and Licensingを参照してください。
本リリースは、同じ機能をもつ多くのコアのSimulinkとFixed-Point Blocksetのブロックを統合しています。たとえば、Simulink Math OperationsライブラリのSumブロックと、Fixed-Point Blockset MathライブラリのSumブロックは、現在は同じブロックです。結果として、組み込みからfixed-pointデータタイプに、およびその逆に切り替えるときに、統合されたブロックを置き換える必要はありません。パラメータダイアログボックスの適切な設定を選択するだけで、ブロックのデータタイプを変更することができます。詳しい情報および本リリースで統合されているブロックの一覧については、 Fixed-Point Blockset release notesのUnified Simulink and Fixed-Point Blockset Blocksを参照してください。
Look-Up Table Editor
Look-Up Table Editorを利用して、look-up tableブロックが利用するルックアップテーブルの内容を検索して編集します。詳細は、オンラインSimulinkドキュメントのLook-Up Table Editorを参照してください。
Model Verificationブロックライブラリ
Simulinkは、自己検証モデルを作成するmodel verificationブロックのライブラリを含みます。たとえば、このブロックを利用して、信号がシミュレーション中に指定した範囲を超えないことを検証することができます。モデルが正しいことに満足した場合は、model verificationブロックを利用不可能にしてエラーチェックをオフにすることができます。ブロックをモデルから物理的に削除する必要はありません。ライブラリは、たとえば、指定した上限または下限を超える信号のような、一般的なタイプのエラーをチェックする、あらかじめ設定されたブロックを含みます。詳細は、オンラインSimulinkドキュメントのModel Verificationを参照してください。
Signal Builderブロック
新規のSignal Builderブロックは、信号ソースの交換可能なグループを作成s、モデル内およびモデル外でグループを迅速に切り替えることができます。Signal Builderブロックのsignal editorは、ブロックによる信号出力の波形を定義することができます。区分的線形である波形を指定することが可能です。信号のグループは、特に、Simulink assertionブロックおよびSimulinkのオプションのModel Coverageツールと共に利用されるときにモデルの検証を円滑に行うことが可能です。詳細は、Working with Signal Groupsを参照してください。
Rate Transitionブロック
Simulinkは、マルチレートシステムの2つのレート間でデータ転送メカニズムを指定することが可能なRate Transitionブロックを含みます。詳細は、オンラインのSimulinkブロックリファレンスのRate Transitionを参照してください。
ブロックライブラリの再構成
Simulink Block Libraryは、再構成され、関連機能をもつブロックへのアクセスが簡略化されています。
Model Linearizationブロック
本リリースでは、シミュレーション中に様々な時間でSimulinkモデルから線形モデルを生成する2つのブロックが導入されています。Time-Based Linearizationブロックは、指定した時間ステップで線形モデルを生成します。Trigger-Based Linearizationブロックは、trigger portにおいて現われるイベントによってトリガされるときに、モデルを生成します。
Data Read/Write Block Navigation
S-Function Builderの機能強化
S-Function Builderは、つぎの機能を使って、S-functionを生成するように機能強化されています。
詳細は、Building S-Functions Automaticallyを参照してください。
その他のブロックの機能強化
本リリースは、Simulinkブロックに対して以下の機能を強化しています。
Math Functionブロック 本リリースは、Math Functionブロックの指数関数のシミュレーションが大きく高速化されています。すべての関数は、倍精度および単精度浮動小数点入出力をサポートします。関数mod
およびrem
は、すべての整数タイプの入力および出力をサポートします。関数transpose
およびhermitian
は、すべてのデータタイプをサポートします。最適化が実行可能なとき、実数信号に対する共役演算は、その場合は操作できないように、ブロックリダクション最適化を実行します。magnitude^2 演算に対するIn-place乗算は、実数信号上でのreused block I/O に対して用いられます。
Gainブロック. Gainブロックは、block reductionがonであるinline parameters=ON
のときにブロックリダクションを実行し、ゲインはnontunableおよびunityです。
Widthブロック. Widthブロックは、出力のデータタイプを指定するパラメータを含みます。
Real Data Typeサポート. つぎのブロックは、倍精度および単精度浮動小数点信号に対して機能します。
シミュレーションの機能強化
Simulink 5.0 は、Simulinkモデルのシミュレーションについて以下の新機能や強化された機能を含みます。
無効なループの強調
Simulinkは、つぎの種類の無効なループを検出して強調します。
これにより、ループを識別し、修正しやすくなります。詳細は、Avoiding Invalid Loopsを参照してください。
Conditional Input Branch Execution
本リリースは、conditional input branch executionと呼ばれる新規の最適化を導入しています。従来は、Switch またはMultiport Switchブロックを含むモデルのシミュレート時に、Simulinkは、各時間ステップにおいて、スイッチへのすべての入力を計算するのに必要なすべてのブロックを実行していました。本リリースでは、Simulinkは、デフォルトで制御入力と、各時間ステップにおいて制御入力によって選択されるデータ入力を計算するのに必要なブロックのみを実行します。同様に、RTWによってモデルから生成されたコードは、制御入力と選択されたデータ入力を計算するのに必要なコードのみを実行します。この最適化は、モデルから生成されたコードのシミュレーションと実行を高速化します。詳細は、"Optimizations" を参照してください。
機能強化されたDiagnostic Viewer
本リリースは、機能強化されたDiagnostic Viewerを導入しています。改良点は以下の通りです。
詳細は、Simulation Diagnostic Viewerを参照してください。
モデリングの機能強化
つぎの機能強化により、Simulinkモデルが作成しやすくなります。
機能強化されたMask Editor
本リリースは、使い勝手を改良するためにMask Editorが変更されています。変更点は、以下の通りです。
詳細は、オンラインSimulinkドキュメントのCreating Masked Subsystemsを参照してください。
Signal Viewer
ブロック線図にシンボルとギリシャ文字を含める
本リリースは、シンボル、ギリシャ文字、その他の書式を注釈、マスクされたサブシステムの端子ラベル、マスクされたサブシステムのアイコンのテキストで利用することができます。これは、TeX書式コマンドを注釈、端子ラベル、アイコンテキスト内に含めることによって行うことができます。
True Colorのサポート
本リリースは、ブロック線図のフォアグランドまたはバックグランドカラーとしてシステムがサポートする任意のカラーを利用することができます。詳細は、オンラインドキュメントのSpecifying Block Diagram Colorsを参照してください。
Model Discretizer
Model Discretizer toolは、連続Simulinkブロックを等価な離散ブロックと選択的に置き換えます。離散化は、動的システムのディジタルコントローラ設計や、ループシミュレーションでのハードウェアに対して重要です。このツールを使って、離散ブロックのみをサポートするReal-Time Workshop Embedded Coderと共に利用するために連続モデルを準備することができます。
ツールをオープンするには、SimulinkのツールメニューからModel Discretizerを選択します。
Model Discretizerは、デフォルトで、モデルの連続ブロックを表示します。モデルのブロックパラメータを連続から離散に変更することができます。の設定は、モデル内のすべての連続ブロック、あるいは選択したブロックに適用することができます。configurableサブシステムはオリジナルの連続ブロックと共に複数の離散化対象候補を保存することができます。離散化対象の候補を切り替え、結果のモデルシミュレーションを評価することができます。
Model Discretizerは、以下のものを制御します。
つぎの図は、f14
デモモデルのAircraft Dynamics Modelサブシステムの、オリジナルの連続モデルと3つの離散化対象を含むconfigurableサブシステムへの離散後を示します。
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