Communications Toolbox Release Notes    

旧リリースからのアップグレード

本節では、Communications Toolbox 2.0.1 からVersion 2.1 への移行でのアップデートの問題について記述します。本節は、以下のトピックスを説明します。

2.0.1 よりも前のバージョンからアップグレードする場合は、Communications Toolbox 2.0 Release Notesの旧リリースからのアップグレードを参照してください。

既存のガロア体コードのアップデート

既存のコードが2m 要素をもつガロア体において計算を行う場合は(mは1から16の整数)、新規のガロア体の機能を利用するために、コードをアップデートすることができます。

関数の変更

下記の表は、新規のガロア体データタイプに対して機能するRelease 13 関数または演算子に対応するRelease 12の関数の一覧です。Release 13 関数のシンタックスは異なりますが、対応するRelease 12 の関数よりも使いやすくなっています。

Release 12 関数
Release 13 関数または演算子
コメント
gfadd
+

gfconv
conv

gfcosets
cosets
cosetsは、セル配列を出力し、gfcosetsはNaN-padded行列を出力します。
gfdeconv
deconv

gfdiv
./

gffilter
filter
gffilterとは異なり、filterは、最終状態も出力します。
gflineq
\

gfplus
+

gfprimck
isprimitive
isprimitiveは、原始性を検出しますが分解可能性を検出しません。
gfprimdf
primpoly

gfprimfd
primpoly

gfrank
rank

gfroots
roots
gfrootsとは異なり、rootsは、ルートの重複を示し、拡張フィールド内の多項式を処理することができます。
gfsub
-

gftuple
.^, log, polyval
R13 ガロア配列を用いたフォーマットの変換と簡略化を参照

Release 12 とRelease 13 のフィールド要素の表現の変換

既存のコードの中には、Release 12 でサポートされている指数駅式と新規のガロア配列の間でデータを変更する必要がある部分があります。下記のコードの例は、GF(16)の要素を表わすサンプルベクトルについて変換を行います。

Release 12 とRelease 13 の間の多項式の表現の変換

Release 12 とRelease 13 は、GF(2m) に関する多項式の表現に異なるフォーマットを利用します。Release 12 は、多項式を、 べきの順の係数のベクトルとして表わします。内容に応じて、ベクトル内の各係数は、prime field 内の要素を表わすか、あるいはextension fieldの要素の指数形式を表わします。Release 13 は、以下に説明する記法を用います。

原始多項式..   関数gf, isprimitive, primpolyは、バイナリ表現が多項式の係数を表わす整数スカラを利用して原始多項式を表わします。最下位のビットは定数項です。

たとえば、スカラ 13 は、バイナリ表現 1101 をもち、多項式 D3 + D2 + 1 を表わします。

その他の多項式.   多項式の演算、評価、根を求める際に、あるいはフィールド要素の最小多項式を求める際に、 べき順に係数のガロアベクトルを用いて、多項式を表わします。ベクトルに利すとされた各係数は、How Integers Correspond to Galois Field Elementsに記述されている表現を用いてフィールドの要素を表わします。

たとえば、ガロアベクトルgf([1 1 0 1],1)は、多項式 x3 + x2 + 1 を表わします。また。ガロアベクトル gf([1 2 3],3) は、多項式 x2 + Ax + (A+1) を表わします。ここで、Aは GF(23) に対するデフォルトの多項式の根です。係数A+1は、3のバイナリ表現が11であるため、3のベクトル要素に対応します。

記法を示す例題.   下記の例題コードは、Release 12 とRelease 13 の多項式のフォーマットの変換方法の決定に役立つでしょう。

R13 ガロア配列を用いたフォーマットの変換と簡略化

既存のコードがgftupleを用いて指数と多項式フォーマット間の変換を行ったりう場合は、これらのフォーマットのいずれかを簡略化する場合は、下記の例題コードは、Release 13 のガロア配列を用いてそれらの作業を行う方法を決定するのに役立つでしょう。

出力は以下の通りです。

既存のReed-Solomon M-コードの更新

既存のM-コードがReed-Solomon符号を処理する場合は、それらの更新して、強化されたReed-Solomonの機能を利用したい場合があります。以下に、留意すべき重要な点について記述します。

Release 12 とRelease 13 の符号データの表現の変換

Reed-Solomon符号を処理する既存のM-コードを更新するために、下記の例は新規関数rsencと従来からの関数rsencoを使ってデータを符号化する方法を示します。

様々なRelease 12 のデータ符号化表現の変換

以下の規則は、Release 12 Reed-Solomon関数がサポートする指数、10進、2進フォーマットの変換方法を示します。

下記のコマンドは、これらの変換を示しています。

機能の変更点

下記の表は、挙動が変更された関数の一覧です。

関数
機能の変更点
wgn
デフォルトの測定単位は、dBWfで、従来は"dB"でした。単位をシンタックスで明示的に指定するには、powertype入力引数を'dB'ではなく'dBW'に設定します。関数の出力は、この変更によってシンタックス内で影響を受けません。

廃止された関数

下記の表は、廃止された関数の一覧です。これらの関数は、下位互換性のためRelease 13 に含まれていますが、将来のリリースでは削除される予定です。2列目は、同様の機能を与える関数です。同様の関数は、オリジナルの関数と比較して、異なる入力引数を要求したり、あるいは異なる出力引数を生成する場合があります。

関数
同機能の関数
gfplus
ガロア配列に対する+演算子
rsdeco
rsdec
rsdecode
rsdec
rsenco
rsenc
rsencode
rsenc
rspoly
rsgenpoly


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