Real-Time Workshop User's Guide    

ERTを使った自動S-ファンクションラッパーの生成

S-ファンクションラッパーは、Simulink内部からユーザのCコードを呼び出すS-ファンクションです。S-ファンクションラッパーは、Simulinkと外部で作成されたコードとの標準のインタフェースを提供し、ユーザコードを最小の変更でモデルに統合することができます。ラッパーS-ファンクションの詳細な説明は、Writing S-Functions マニュアルを参照してください。

ERTのCreate Simulink (S-Function) blockオプションを使って、自動化された1つのステップでビルドが行えます。

これは、コードの検証やシミュレーションの速度の向上の目的に役立ちます。

Create Simulink (S-Function) blockオプションがオンのとき、Real-Time Workshopは、ビルドディレクトリにソースコードファイルmodel_sf.cを生成します。このモジュールは、S-ファンクションラッパーコードを含みます。その後ビルドプロセスは、model_sf.cmodel.cおよびその他のERT生成コードモジュールをコンパイルおよびリンクし、MEX-ファイルをビルドします。MEX-ファイル名は、model_sf.dll(PC ) または model_sf(UNIX)です。これは作業ディレクトリに格納されます。最後に、Real-Time Workshopは、生成したS-Functionブロックを含むタイトルの付けられていないモデルを作成して、オープンします。

ERTコードに対してS-ファンクションラッパーを作成するには、つぎのようにします。

  1. Simulation ParametersダイアログボックスのReal-Time Workshop タブを選択します。それから、CategoryメニューからERT code generation options を選択します。
  2. 下記のようにCreate Simulink (S-Function) blockオプションを利用可能にします。

  1. 必要に応じて他のコード生成オプションを設定します。
  2. Build ボタンをクリックします。
  3. ビルドプロセスが完了すると、タイトルが付けられていないモデルウィンドウがオープンします。このモデルは、生成したS-functionブロックを含みます。

  4. 新規のモデルを保存します。
  5. 生成したS-ファンクションは、Simulinkの他のブロックまたはモデルで利用する準備ができています。

 モデルのエントリポイント ERT生成コードの最適化