Release 12.1 リリースノート | ![]() ![]() |
最小固有値を求める
eigs(A,k,sigma)
と eigs(A,B,k,sigma)
は、sigma
をベースに k
個の固有値を出力します。sigma = 'sm'
に対して、eigs
は最小固有値を出力します。
MATLAB 6.0 では、eigs
は、ARPACK ライブラリのルーチンを使用するように再導入されました。最小固有値の場合、sigma = 'sm'
と sigma = 0
は誤ったアルゴリズムを選択していました。MATLAB 6.1 では、正しい ARPACK アルゴリズムが使用されており、収束も格段に速くなっています。
このバグフィックスは、旧バージョンとの互換性がありません。A
が関数 Afun
で、sigma = 'sm'
の場合、Afun
は、Y = A\x
を出力しなければなりません。MATLAB 6.1 以前では、この場合、eigs
は、y = A*x
を出力するために Afun
を必要としていました。
行列関数によって返される結果の起こりうる変化
MATLAB 6.0(R12.0)以降、行列演算は、線形代数に対する大規模なマルチオーサFortranサブルーチンライブラリである、LAPACKをベースとしています。この変更による利点は数多くあり(Release 12 リリースノート を参照)、行列関数は MATLAB 6.0 と同様に作動しますが、行列関数によって出力される結果は異なる可能性があります。 多くの行列演算において、丸め誤差の変化が見うけられます。一意的な値を数学的に決定できない場合は、結果の順序や正規化が異なる可能性があります。
rcond
は、条件数の逆数のより良い推定です。lu
は、長方形行列の因数分解に使用できます。廃止された入力引数
以下の関数への入力引数のうちのいくつかは廃止されました。これらの引数を使用すると、エラーは発生しませんが、無視されます。
関数 |
説明 |
|
fuzz 標準偏差に対する値を指定する3番目の引数 fuzz を無視します。3番目の引数 'sorted' を無視します。この引数は、与えられた x 点と y 点がソートされ、重複する点を削除するようにdelaunay に指示します。 |
convhull |
delaunay を使用して計算されていた三角形分割データを提供する3番目の引数 TRI を無視します。 |
廃止された関数
以下の MATLAB 関数は、廃版となりました。旧バージョンとの互換性から、今回は削除されていません。しかし、これらの関数は、将来のリリースで削除される予定なので、関数の利用を中止するか、それらの代替関数を利用することを推奨します。
関数 |
説明 |
bvpval |
境界値問題(BVP)の数値解を評価。初期値問題と境界値微分方程式問題の解を共に評価する deval で置き換えます。 |
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